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「不況のドイツ」のイメージを覆すほどの活況を呈したIAAモビリティ2025
2025年9月8日から14日までの1週間、ドイツのミュンヘンで開催されたIAAモビリティ※は、37カ国から750以上の出展者が集い、前回を上回る50万人以上を集客して盛況のうちに閉幕しました。最大の特徴は、ミュンヘン市中心部の広場や歴史的建物の敷地を開放して展示ブースを設け、すべて無料で観覧できる「オープンスペース」を設置していたことです。一方、メッセ会場では「IAAサミット」と称して200回以上の講演やセミナーが開催され、B to Bのイベントとして109カ国から7万人近いビジネス客やメディアが来場しました。デジタル配信が当たり前になり、旧来のモーターショーが廃れた中で、自治体や市民の...
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フォルクスワーゲンの新世代EVモデル「ID.ポロ」と「ID.ポロ GTI」、そして「ID.クロスコンセプト」
2025年9月3日(現地時間)、独フォルクスワーゲンは、ミュンヘンで開催されるIAAモビリティ2025(9月9日~14日)にて、2026年初頭に発売する新世代EVシリーズ、「ID.ポロ(POLO)」、「ID.ポロ GTI」の量産モデル、さらに同年後半に発売予定の「ID.クロス(CROSS)」のコンセプトモデルを公開すると発表した。併せて、今後発売される次世代のID.モデルは、現行ID.ファミリーが使用する数字との組み合わせではなく、「ID.+既存車名」のネーミングを採用することも明らかにされた。
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フォルクスワーゲンのID.Buzzがドイツ・ハンブルクで自動運転ライドサービスを開始。ウェイモやテスラに一矢を報いるか
フォルクスワーゲン(以下、VW)のモビリティサービス会社モイア(MOIA)は、2025年6月17日〜19日にドイツ・ハンブルクで開催された国際公共交通会議(UITP)サミットにおいて、これまで試験走行を重ねてきたID.Buzz ADによる自動運転のライドサービスを7月から同市で提供を開始すると発表しました。当初の運行台数は30台程度でドライバー同乗になりますが、2027年からはドライバーなしでの走行を計画しています。米国では6月22日に、テスラがテキサス州オースティンで10数台のモデルYで投資家やインフルエンサーなど招待客限定でロボタクシーの供与を開始。先行するウェイモ(Waymo)は、...
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EV販売、低空飛行の米国と復活の兆しのEU。道を分けるものは政治か、国民性か?
第二次トランプ政権の発足後100日が過ぎ、ウクライナ戦争の調停から移民の強制送還、有名大学への抑圧や荒っぽい関税外交と、世界はその目まぐるしい動きを追いかけるのに疲れてきた感があります。友好国に対しても高い関税を課して、米国に製造業を回帰させるという政策が身を結ぶかどうかはまだ見通せない状況ですが、バイデン前政権のEV優遇政策を廃棄する方針の影響はすでに出ており、米国の2025年1〜4月のEV販売台数は約40万台で前年同期比で−5.6%、マーケットシェアは6.9%(※)となっています。一方で、2024年のEV販売が144万台(前年同期比−5.9% ※)と失速したEUは、今年1〜4月は約5...
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12年ぶりの上海モーターショーで見えた中国自動車社会の変貌。5年後に欧州の高級車は上海から姿を消す!?
2025年4月23日から5月1日まで中国・上海市で開かれたモーターショー「Auto Shanghai 2025」に12年ぶりに出かけると、その変化の大きさに目を見張りました。国内便の主要発着場である虹橋(ホンチャオ)空港には巨大な鉄道のターミナル駅やショッピングモールが隣接し、2016年にオープンした「国家会展中心(上海)」は地下鉄2号線で空港の次駅から徒歩数分と至便な立地にあります。中心部の観光名所である外灘(ワイタン)の夜景は煌びやかさを増し、そこから西に伸びる南京東路は平日でも多くの人で賑わっています。若者に人気のトレンディな張園・茂名北路や、ハイブランド店が立ち並ぶ静安寺周辺では...
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フォルクスワーゲンとBMWの決算から見るドイツ自動車メーカーの逼迫度
フォルクスワーゲン(VW)グループが2025年3月11日に発表した2024年の決算は、売上高(3250億ユーロ=52兆円 ※)は対前年比で微増(+1%)でしたが、営業利益(191億ユーロ=3兆円)は高水準の研究開発や設備投資、中国市場での販売の落ち込み(−9.5%)などの影響で−15%の減益となりました。また、同月14日に発表されたBMWの決算も、EV販売は伸びたものの、中国市場の不振などで売上高と営業利益ともに減少しています。EVやSDVへの開発投資や国内メーカーとの競争が激化する中国市場の対応を迫られている両社の現状を決算から探ってみます。※:1ユーロ=160円で計算(タイトル写真:...
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フォルクスワーゲン ID.1、2027年発売のエントリーEVが秘めた小さいけれども大きな破壊力とは
2025年3月5日(現地時間)、フォルクスワーゲンはAセグメントEVのコンセプトモデル「ID.EVERY 1」をワールドプレミアした。その量産モデルは恐らく「ID.1」と名付けられ、約2万ユーロという低価格で2027年から欧州で発売される。しかし、この完全電動のシティコミューターの価値は、小さくて廉価なEVというだけではない。公式発表ではごく簡単にしか触れられなかった、とある事実を深堀りしてみた。(タイトル画像は3月5日に世界初公開されたコンセプトカー「ID.EVERY 1」)
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2024年の欧州(EU)のEV販売台数はマイナス5.9%と失速。今年厳格化するCO2規制の緩和はあるのか?
欧州自動車工業会(ACEA)は、2025年1月21日、2024年(1〜12月)の乗用車販売台数を発表しました。スイス、ノルウェーなどのEFTAとイギリス(UK)を含めた総販売台数は、前年比+0.9%の1296万台。EVはマイナスとなる一方、ハイブリッド車は+19.6%と躍進しました。2025年からEUのCO2排出基準が2021〜2024年比で約15%厳しくなるため、多数のメーカーが未達成となり1gにつき1台あたり95ドルという多額の罰金の支払いを余儀なくされる可能性があります。自動車メーカー団体は規制の緩和を要請しており、EUも検討に入るようですが、果たしてどんな対策が打ち出されるでしょ...



