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往年の熱気を取り戻したジャパンモビリティショー2025。BMWやMINI、メルセデス・ベンツなど輸入車ブランドの見どころは?
10月31日から一般公開中のジャパンモビリティショー2025(以下、JMS)は、連日多くの来場者で賑わっています。最高級ブランド「センチュリー」を発表したトヨタは南館1−2ホールを占有したブースでトヨタ、ダイハツ、レクサス、センチュリーの4ブランドの未来像を展開。ホンダは、二輪からジェット機やロケットまで「陸・海・空の総合モビリティカンパニー」の魅力をアピールしています。海外メーカーはドイツと中国、韓国に絞られて国際色は薄れましたが、ここでは輸入車ブランドの注目点を紹介していきます。(タイトル写真:「MINIクーパー3ドア ポール・スミス・エディション」を発表するポール・スミス氏(右)と...
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「不況のドイツ」のイメージを覆すほどの活況を呈したIAAモビリティ2025
2025年9月8日から14日までの1週間、ドイツのミュンヘンで開催されたIAAモビリティ※は、37カ国から750以上の出展者が集い、前回を上回る50万人以上を集客して盛況のうちに閉幕しました。最大の特徴は、ミュンヘン市中心部の広場や歴史的建物の敷地を開放して展示ブースを設け、すべて無料で観覧できる「オープンスペース」を設置していたことです。一方、メッセ会場では「IAAサミット」と称して200回以上の講演やセミナーが開催され、B to Bのイベントとして109カ国から7万人近いビジネス客やメディアが来場しました。デジタル配信が当たり前になり、旧来のモーターショーが廃れた中で、自治体や市民の...
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フォードが「モデルTの瞬間」の再来と謳うEVピックアップトラックの生産を発表
2025年8月12日、フォードはケンタッキー州ルイビル工場に20億ドルを投資し、中型EVピックアップトラックを3万ドルの価格で2027年に発売すると発表しました。車体を前部・中央・後部の3つのモジュールに分けて組み立て、コンベアラインを大幅に短縮して生産スピードを最大40%早める製造コンセプトは、テスラが2年前に発表した「アンボックスド(unboxed)」製法に類似するものです。フォードは、テネシー州に次世代フルサイズEVピックアップトラックを生産する一大拠点「ブルーオーバルシティ(Blue Oval City)」を建設中ですが、他社に先駆けて発売した「F150ライトニング」の販売は計画...
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フォルクスワーゲンのID.Buzzがドイツ・ハンブルクで自動運転ライドサービスを開始。ウェイモやテスラに一矢を報いるか
フォルクスワーゲン(以下、VW)のモビリティサービス会社モイア(MOIA)は、2025年6月17日〜19日にドイツ・ハンブルクで開催された国際公共交通会議(UITP)サミットにおいて、これまで試験走行を重ねてきたID.Buzz ADによる自動運転のライドサービスを7月から同市で提供を開始すると発表しました。当初の運行台数は30台程度でドライバー同乗になりますが、2027年からはドライバーなしでの走行を計画しています。米国では6月22日に、テスラがテキサス州オースティンで10数台のモデルYで投資家やインフルエンサーなど招待客限定でロボタクシーの供与を開始。先行するウェイモ(Waymo)は、...
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EV販売、低空飛行の米国と復活の兆しのEU。道を分けるものは政治か、国民性か?
第二次トランプ政権の発足後100日が過ぎ、ウクライナ戦争の調停から移民の強制送還、有名大学への抑圧や荒っぽい関税外交と、世界はその目まぐるしい動きを追いかけるのに疲れてきた感があります。友好国に対しても高い関税を課して、米国に製造業を回帰させるという政策が身を結ぶかどうかはまだ見通せない状況ですが、バイデン前政権のEV優遇政策を廃棄する方針の影響はすでに出ており、米国の2025年1〜4月のEV販売台数は約40万台で前年同期比で−5.6%、マーケットシェアは6.9%(※)となっています。一方で、2024年のEV販売が144万台(前年同期比−5.9% ※)と失速したEUは、今年1〜4月は約5...
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12年ぶりの上海モーターショーで見えた中国自動車社会の変貌。5年後に欧州の高級車は上海から姿を消す!?
2025年4月23日から5月1日まで中国・上海市で開かれたモーターショー「Auto Shanghai 2025」に12年ぶりに出かけると、その変化の大きさに目を見張りました。国内便の主要発着場である虹橋(ホンチャオ)空港には巨大な鉄道のターミナル駅やショッピングモールが隣接し、2016年にオープンした「国家会展中心(上海)」は地下鉄2号線で空港の次駅から徒歩数分と至便な立地にあります。中心部の観光名所である外灘(ワイタン)の夜景は煌びやかさを増し、そこから西に伸びる南京東路は平日でも多くの人で賑わっています。若者に人気のトレンディな張園・茂名北路や、ハイブランド店が立ち並ぶ静安寺周辺では...
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12年ぶりに日本のファンに姿を見せたカーデザインの巨匠ジョルジェット・ジウジアーロ氏が語ったこと
20世紀最高のカーデザイナーとして、自動車業界やクルマファンの間で知らぬ人はいないジョルジェット・ジウジアーロ氏が、10周年を迎えたクラシックカーショーである「オートモビルカウンシル2025(4月11〜13日開催)」に来日し、2日間にわたるトークショーで日本のファンの前で自身の作品やデザインへの思いを語りました。ジウジアーロ氏が日本の公の場で姿を見せたのは、2013年に行われた7代目フォルクスワーゲン ゴルフのプレス発表会以来のはずで、当時フォルクスワーゲンジャパンの広報責任者だった筆者がその時に聞いた話の内容も交えながら、語られた言葉の意味を紐解いてみたいと思います。(タイトル写真:マ...
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底なしのトランプ関税ショック。世界は、自動車メーカーは、どう対応するか
2025年4月3日、トランプ大統領は予告どおり10%の一律関税と約60カ国に対する相互関税(reciprocal tariff)を発表しました。中国34%、日本24%、EU20%、ベトナム46%など予想を超える高い関税率に世界は驚き、株式市場は大暴落してまだ底が見えない状況です。しかしトランプ氏は、「時には苦い薬も必要だ」と怯む様子はありません。中国は即座に米国の全輸入製品に同率の34%の関税を課して徹底的に戦う構えですが、EUは「工業製品の相互ゼロ関税」を提案して拙速な報復には出ず、周囲からの圧力でトランプ氏が軟化するのを待つ戦略です。自動車メーカーも、ジャガーランドローバーやアウディ...
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トランプ関税、輸入車一律25%の衝撃。日本や欧州、そして米国の自動車メーカーに与える影響とは
2025年3月26日、トランプ大統領は、米国に輸入するすべての乗用車に一律25%の関税を課す大統領令に署名しました。4月2日から発効し、翌3日から徴収が始まります。また、1カ月の猶予を置いていたUSMCA(※)対象のメキシコとカナダからの輸入車についても、米国産部品の割合を引いた率で課税するほか、エンジンやトランスミッションといったパワートレーンの部品や電装パーツなども対象となります。経済への影響の大きさから25%といった高率の課税はしないのでは、という関係者の見方を覆す今回の決定は、自動車産業や米国市場にどういう影響を与えるでしょうか。(写真:スバルが日本から米国に輸出するフォレスター...
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フォルクスワーゲンとBMWの決算から見るドイツ自動車メーカーの逼迫度
フォルクスワーゲン(VW)グループが2025年3月11日に発表した2024年の決算は、売上高(3250億ユーロ=52兆円 ※)は対前年比で微増(+1%)でしたが、営業利益(191億ユーロ=3兆円)は高水準の研究開発や設備投資、中国市場での販売の落ち込み(−9.5%)などの影響で−15%の減益となりました。また、同月14日に発表されたBMWの決算も、EV販売は伸びたものの、中国市場の不振などで売上高と営業利益ともに減少しています。EVやSDVへの開発投資や国内メーカーとの競争が激化する中国市場の対応を迫られている両社の現状を決算から探ってみます。※:1ユーロ=160円で計算(タイトル写真:...



