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【海外トピックス】自動運転システムの現在地。リードするのはいったいどこか
自動運転については、5〜6年ほど前までは2020年代半ばには「レベル4」(※1)が実現するといわれ、自動車メーカーがハンドルのないコンセプトカーを発表したり、無人のロボットカーがサーキートを全開走行したりして開発競争がヒートアップし、LiDARなどの高価なセンサーのスタートアップも次々と誕生していました。今日では完全自動運転の実現の見通しは、2030年代に先送りされた感がありますが、「CASE」といわれる自動車産業の100年に一度の変革の中で、E(Electrification=電動化)やC(Connected=つながる)とともに注目を浴び続ける自動運転システムの現在地はどうなっているの...
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【海外トピックス】アメリカでUAWの対「デトロイト3」ストライキが注目を浴びるわけ
4年に一度行われる「デトロイト3」の自動車メーカーと全米自動車労働組合(UAW:自動車、航空、農業の各産業の労働者の組合組織で、米国、カナダ、プエルトリコで約40万人の現役ワーカーと58万人の退職者がいる。設立は1935年)の労働協約の交渉が9月14日の期限までに決着せず、翌日から史上初となる3社に対する同時ストライキが実施されてから1週間が経ちました。依然両者の溝は深く、UAWは各社1ヶ所ずつの完成車工場に加えて、GMとステランティスの全米38ヶ所の部品センターでのストライキに入りました。(タイトル写真はUAWのFacebookベージより。MOPARはステランティスの部品のブランド名)
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【海外トピックス】EVはアウトバーンでどの程度使えるか? マインツからミュンヘンまで450km走ってみた
今月のドイツ出張では、前半は古都マインツの近くに住む友人宅にお世話になり、後半にミュンヘンに移動してIAAを取材しました。速度無制限のアウトバーンは、ドイツのモビリティの象徴的存在であり、400〜500kmなら鉄道よりも自動車での移動を選択する人も多いお国柄です。アウトバーンの充電環境はどうなのか、EVではどの程度のスピードで走ることができるのか、実体験をお伝えします。(タイトル写真は、バーデン・ヴュルテンベルク州のエネルギー会社EnBWの急速充電ステーション)
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【海外トピックス】ミュンヘン中心部のマイクロモビリティ事情。“ごく自然にクルマと共存していた”
「IAAモビリティ 2023」では、クルマだけでなく、eバイクやeスクーター(日本でいうところの電動キックボード)の展示や試乗が屋外の会場で実施されています。昨年初めてロードバイクを購入した筆者ですが、eバイクについては数度しか乗ったことがなく、eスクーターに至っては全く経験がないので、今回両者に試乗してみました。旧市街を歩いて見て回った目線から二輪車の視線になると、ミュンヘンの中心部のモビリティー事情が少し違って見えました。(タイトル写真は、バイエルン国立歌劇場の前のマキシミアン通りの光景)
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【海外トピックス】「IAAモビリティ 2023」でわかったこと、“EVはモビリティシフトの一環である”
ミュンヘンで開催された「IAAモビリティ 2023」は、50万人以上の来場者を集めて日曜日に閉幕しました。土曜日だけでもOpen Spaceに10万人以上が来場。出展者700以上、世界初の発表が300件、82カ国から3700人のメディア・ジャーナリストが参加し、来場者の92%が「素晴しい(excellent)」または「良い(good)」と評価したということです。試乗回数は4000回の自転車・eバイクを含めて計8000回。また、40歳以下の来場者が3分の2を占めました(主催者発表)。(タイトル写真は、アウディとポルシェが展示したヴィッテルスバッヘン広場。主催者提供)
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【海外トピックス】「IAAモビリティ 2023」はポストモーターショーのひとつの理想形を示していた
「IAAモビリティ 2023」は、2021年にフランクフルトから開催地を移した際に、メッセ会場に加えて、ミュンヘン市の旧市街(アルトシュタット)のパブリックスペースを展示場に当てたことがユニークでした。ひたすら広大な首都ベルリンや、旧市街が第二次世界大戦の空爆でほぼ失われたフランクフルトに比べ、ミュンヘンには古い教会やバイエルン皇帝時代の壮麗な宮殿が今も残っています。古都の建造物の合間に設けられた展示空間を、そぞろ歩きしながらクルマを眺められる体験は、ミュンヘン市民にとってもとても好ましいもののようです。
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【海外トピックス】速報「IAAモビリティ 2023」開幕。ドイツと中国メーカーの存在感が他を圧倒
9月4日(月)に「IAAモビリティ 2023」が開幕しました。プレスデーは1日のみで、翌5日からはミュンヘン市内の中心部に設けられた屋外展示が一般に公開されます。コロナ禍が明けてから初の本格的モーターショーといえる今回、海外のメディアも多く来場し賑わいを見せています。その中でも、ドイツ自動車産業の屋台骨であるフォルクスワーゲングループ(VW)と、そのVWを中国市場で販売首位の座から引き下ろし、海外市場展開を急ピッチで進めるBYDのプレスカンファレンスには大勢のメディアが出席しました。その様子を中心にレポートします。(タイトル写真はVWグループの展示ブース)
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【海外トピックス】BMW、メルセデス、アウディの中で、最もEVが売れているのはどこか?
2023年の4〜6月期の自動車メーカー各社の決算が出揃いましたが、日・米・欧の主要各社は揃って前年同期よりかなり良い数字を出しています。ただ、昨年の4〜6月は半導体不足に加え、上海の2カ月のロックダウンの影響で、部品不足やコンテナ輸送の混乱などがあり各社減産を余儀なくされたので、前年同期との比較だけでは実情は必ずしも明らかではありません。ここでは、ドイツプレミアムメーカー3社の上半期(1〜6月)の数字を見ながら、販売の現状や電動化戦略の進捗を比較してみます。(タイトル写真は「BMW 760i xDrive」)
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【海外トピックス】「屋根が燃えている」とCEOが檄を飛ばしたフォルクスワーゲンの状況はどのくらい深刻なのか
7月10日にフォルクスワーゲン(以下:VW)乗用車ブランドのトーマス・シェーファーCEOが全世界の幹部2000人を集めたミーティングで、“屋根が燃えている(The roof is on fire!)”と緊急事態を宣言したことがドイツで話題になりました。EV化に邁進するVWですが、中国での販売低迷や欧州でのEVの注文の減少で苦境に陥っている模様で、同CEOは「VWブランドの未来は危機に瀕している」、「完全な嵐といっていい」といった激しい言葉を使って、出張予算からイベントまで徹底的な支出の削減を要請しました。VWブランドは、2026年までに営業利益率を現在の倍の6.5%に引き上げる目標を掲げ...
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【海外トピックス】EV時代に英国の自動車産業はどこまで踏みとどまれるのか?
「Brexit(ブリグジット)?」、「ああ、コロナ前にはその話題もあったね」と感じる方も多いかもしれません。2016年の国民投票でEU(欧州連合)からの離脱を決めた英国が、正式に離脱したのは2021年1月からでした。それに至るまでの5年間は、EUとUK(英国)の間で、経済的・社会的損失がないように長い交渉が行われ、人、物品・サービス、デジタルなどの分野で包括的な協定が結ばれました。しかしここに来て、英国自動車産業の浮沈に関わる問題が表面化しています。(タイトル写真はBMW MINIのオックスフォード工場。1913年から110年の自動車生産の歴史を持つ)