2026年1月6日から9日まで米国ラスベガスで開催されたCES2026は、家電から自動車、ヘルス機器、ロボティクスまでAI一色に染まり、まさに「AIバブル」を彷彿させました。ソニー、キヤノン、メルセデス・ベンツなど家電や自動車の大手メーカーが出展を見送った中で、モビリティ中心の西ホールに広大な展示面積を占めたヒョンデ(Hyundai)は、傘下のボストンダイナミクスのヒューマノイドなどロボット中心の展示を行い、自動車部品大手の独ボッシュも、プレス会見でAIコンロで厚いステーキを好みの加減で焼いて見せるなど、AIは工場から家庭まで人間社会のいたるところに導入されつつあることが実感されました。(タイトル写真:ヒョンデブースの展示)

テック界のスターNVIDIAはなにを語ったか。

昨年、CES開幕前夜のキーノートスピーチでLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)の次なるものとして「フィジカルAI」を打ち出してAI開発の方向性を位置づけたNVIDIAのジェンスン・フアンCEOは今年、西ホールすぐ北に2023年に開業した高級ホテル「フォンテンブロー」の3000人収容のシアターでスピーチを行いました。わずか1週間にYouTubeで7000万回以上閲覧されたこのスピーチでフアン氏は、人間のアシスタントとしてのエージェンティックAIの実装が産業界や個人レベルでも進み、さらに、物理世界の法則を理解するフィジカルAIの時代が到来すると強調しました。

フアン氏の予言に呼応してか、今回、北ホールのロボティックス会場には、主に中国系のスタートアップ(一部韓国やドイツ企業)のさまざまなヒューマノイドが、ダンス、ボクシング、卓球、鍵盤演奏などのパフォーマンスをところ狭しと繰り広げて来場者の目を惹きました。

画像: ホテルの会場に入りきれず中庭の会場でフアンCEOのスピーチを聞く聴衆。

ホテルの会場に入りきれず中庭の会場でフアンCEOのスピーチを聞く聴衆。

AVの開発ツールをオープンソースで提供の衝撃

フアン氏は自動運転車(AV=Autonomous Vehicle)もフィジカルAIの一部だと位置づけましたが、今回VLA(視覚言語行動)モデルのAV開発ツールアルパマヨ(Alpamayo)をオープンソースで提供すると発表しました。同氏によれば、昨年のAI業界での最大のニュースは、中国のDeepSeekがそのAIモデルをオープンソースで提供したことであり、オープンモデルの進化のスピードは指数関数的に早く、アルパマヨを広く提供することがAVの進化に繋がるというのです。

世界の大手自動車OEMをはじめ、クアルコム、グーグル傘下のウェイモ(Waymo)、アマゾンといったビッグテックから、WayveやPony.ai、日本のティアフォー(Tier IV)やチューリングのようなスタートアップまで大小さまざまな企業が凌ぎを削っているAVの開発ソフトウエアがオープンソースとして提供されるというニュースに自動車関係者には衝撃が走りました。

画像: NVIDIAのロボタクシー開発ツールの提供先には世界中のOEMやテック企業が名を連ねる。(フアン氏の基調講演の動画から)

NVIDIAのロボタクシー開発ツールの提供先には世界中のOEMやテック企業が名を連ねる。(フアン氏の基調講演の動画から)

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