2026年1月6日から9日まで米国ラスベガスで開催されたCES2026は、家電から自動車、ヘルス機器、ロボティクスまでAI一色に染まり、まさに「AIバブル」を彷彿させました。ソニー、キヤノン、メルセデス・ベンツなど家電や自動車の大手メーカーが出展を見送った中で、モビリティ中心の西ホールに広大な展示面積を占めたヒョンデ(Hyundai)は、傘下のボストンダイナミクスのヒューマノイドなどロボット中心の展示を行い、自動車部品大手の独ボッシュも、プレス会見でAIコンロで厚いステーキを好みの加減で焼いて見せるなど、AIは工場から家庭まで人間社会のいたるところに導入されつつあることが実感されました。(タイトル写真:ヒョンデブースの展示)

メルセデス・ベンツは自動運転レベル3の提供を中止

メルセデス・ベンツは、2022年に世界で初めてSクラスに60km/h以下(現在ドイツでは95km/h以下)の高速道路で自動運転レベル3(以下、L3)のDRIVE PILOTを搭載して、ドイツと米国カリフォルニア州とネバダ州でも認証を受けて販売してきました。ところが、新型Sクラス(1月29日発表予定)には、L3のオプションは設定されないとドイツのハンデルスブラット紙などが報じました

実はこのL3を搭載したSクラスにも昨秋のIAAで試乗したのですが、小雨が降っていたためにアウトバーンを1時間近く試乗した間、一度もハンズオフ・アイズオフのL3モードに入ることはありませんでした。その時の路面は少し濡れている程度で、雨が降っていない区間もありましたが、安全性を重視しているメルセデス・ベンツのポリシーはスリップの危険ありと見たようでL3は作動しなかったのです。

これでは、5000ユーロ(約93万円)以上するこのオプションを買う人は少ないと思いましたし、今回の新型SクラスではL3の提供をやめて当面L2++に注力するとしても不思議ではありません。

画像: 小雨のアウトバーンで試乗したSクラスは渋滞下でもL3のシステムは作動しなかった。

小雨のアウトバーンで試乗したSクラスは渋滞下でもL3のシステムは作動しなかった。

社会課題に焦点を当てる日本企業

今回、NVIDIAやシーメンス、スフィア(ラスベガス名物の半球ドーム)で派手なプレゼンテーションを行なったLenovo(レノボ)、ヒョンデなどがAIやロボティクスの「薔薇色」の未来を語った中で、パナソニックの展示は少し異色でした。AI家電やAIエージェントではなく、エアコンの室外機の自動解体装置や、電気を爆食いして冷却のために地下水を大量に吸い上げるデータセンターの冷却を水ではなく空冷で行う技術などです。

他にもビルの窓ガラスへのペロブスカイト電池の施工、ノリや昆布などの海産物の収穫時期を最適化するAIなど、生産者や事業者がすぐに欲しいと思うようなソリューションを提案し、それらの紹介パネルには、「Human-AI co-driven KAIZEN」と書かれていました。米国や中国のテック企業のような派手さはないものの、島国で資源が限られている日本らしい、エコとサスティナビリティの発想が息づいた展示で好感が持てました。

画像: パナソニックブースのデータセンター冷却システム展示。左の冷却用の室外機に中央のコンデンサーで空気を圧縮して送る。右奥は緊急電源の水素燃料電池。

パナソニックブースのデータセンター冷却システム展示。左の冷却用の室外機に中央のコンデンサーで空気を圧縮して送る。右奥は緊急電源の水素燃料電池。

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