2026年1月6日から9日まで米国ラスベガスで開催されたCES2026は、家電から自動車、ヘルス機器、ロボティクスまでAI一色に染まり、まさに「AIバブル」を彷彿させました。ソニー、キヤノン、メルセデス・ベンツなど家電や自動車の大手メーカーが出展を見送った中で、モビリティ中心の西ホールに広大な展示面積を占めたヒョンデ(Hyundai)は、傘下のボストンダイナミクスのヒューマノイドなどロボット中心の展示を行い、自動車部品大手の独ボッシュも、プレス会見でAIコンロで厚いステーキを好みの加減で焼いて見せるなど、AIは工場から家庭まで人間社会のいたるところに導入されつつあることが実感されました。(タイトル写真:ヒョンデブースの展示)

ウェイモは着実に運行領域を拡大

ロボタクシーの先駆者ウェイモのブースは昨年とほぼ同じデザインで、展示車両も中国のZeekr製のミニバン「オハイ(OJAI)」とヒョンデのアイオニック5などで変化はありません。ミニバンの方はまだ投入されておらず、現在はジャガー iペイスで運行都市を増やしている状況です。

従来からのフェニックス(アリゾナ州)、サンフランシスコに加え、昨年はロサンゼルス、オースティン(テキサス州)、アトランタに拡大して運行車両台数は700台から2500台に増加。2025年の総乗車回数は前年の3倍以上の1400万回、累積走行マイル数も1億2700万マイル(約2億km)と飛躍的に伸びています。運行準備中の12都市含め、今年中に20都市に拡大を目指しており順調に「スケール」しているといえそうです。

画像: ウェイモの「オハイ」は4個のLiDARを搭載。

ウェイモの「オハイ」は4個のLiDARを搭載。

その他では、イスラエルのモービルアイのL4システムを採用するフォルクスワーゲンのライドシェアサービスMOIAは、ハンブルク、ミュンヘン、オスロ、米国のオースティンとロサンゼルスで100台程度のID.Buzzを試験運行しており、2032年までに10万台に増やす計画です。モービルアイのキーノートに出演したMOIAのクリスチャン・ゼンガー会長は、「車両生産からフリート管理システム、アプリまでMaaSの統合型ソリューションを提供できる」と拡張に自信を示しました。

また、カリフォルニアの高級EVメーカーのルーシッド(Lucid)は、自動運転ソフト開発のNUROとNVIDIAおよびUberと組んで、同社の高級SUV「グラビティ」のロボタクシーサービスを2026年中にサンフランシスコベイエリアで開始すると発表したほか、ヒョンデも関連会社のMotionalと組んでラスベガスで運行中(ドライバー同乗)のアイオニック5を、年内にドライバーレスに移行する計画です。

画像: NVIDIAのファウンドリに展示された6人乗り高級SUVの新興EVメーカールーシッドの「グラビティ」。

NVIDIAのファウンドリに展示された6人乗り高級SUVの新興EVメーカールーシッドの「グラビティ」。

テスラのロボタクシーの現状は

では、昨年6月に本社のあるテキサス州オースティンで、招待客に限定してライドサービスを始めたテスラはどうでしょうか。

イーロン・マスク氏のXへのポストや各種報道をみると、昨年末に「セーフティモニター(安全監視員)」の同乗しないモデルYの運行を一部で始めたようですが、運用台数は30台程度にとどまっている模様です。6月のローンチ当初に公開された動画では、全体的にはスムーズな走行であるものの、車線変更しての左折や対向車線を跨いでパーキングに入るといった場面では、ヒヤリとするケースが散見されました。

現在FSDはバージョン14.2.2.3まで進化しており、最新の走行動画を見るとさらに進化しているようです。センサーはカメラのみでレーダーやLiDARは不要と言い切るマスク氏ですが、ウェイモも現行車両で4個、次期車両にも5個のLiDARを搭載する予定です(ウェイモブースで確認)。

また、モービルアイのシャシュアCEOも、「将来的にはLiDARは1個でいけるかも」と言いながらも、現状のL4のID.Buzzには9個も搭載されています。かつてアウディのAV開発責任者が語ったようにアイズオフの自動運転には「99.9999%以上」の安全性(100万回に1回以下の失敗)が求められるとすれば、テスラのFSDがウェイモと同等の安全性でロボタクシーを運用できるのかという疑問は残ります。今年夏に発売予定のテスラのサイバーキャブが一体どういう形で登場するのか、興味をそそるところです。

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