欧州自動車工業会（ACEA）は、2025年1月21日、2024年（1〜12月）の乗用車販売台数を発表しました。スイス、ノルウェーなどのEFTAとイギリス（UK）を含めた総販売台数は、前年比＋0.9％の1296万台。EVはマイナスとなる一方、ハイブリッド車は＋19.6％と躍進しました。2025年からEUのCO2排出基準が2021〜2024年比で約15％厳しくなるため、多数のメーカーが未達成となり1gにつき1台あたり95ドルという多額の罰金の支払いを余儀なくされる可能性があります。自動車メーカー団体は規制の緩和を要請しており、EUも検討に入るようですが、果たしてどんな対策が打ち出されるでしょうか。（タイトル写真は新型テスラモデルY。同モデルの2024年欧州販売は21万台※（−17％）で2023年の首位から4位に後退した。）
※モデルごとの販売台数はAutomotive News Europe／Dataforceの資料を参照。
メーカー別ではフォルクスワーゲングループが不動のトップ
メーカー別販売台数では、フォルクスワーゲングループが340万台（＋2.5％）で揺るがぬ首位をキープしました（市場シェアは26.3％）。2位のステランティスは販売台数が7.3％減少してシェアは0.7ポイントダウンの15.2％。特にフィアット（−20.4％）やオペル（−9.5％）の減少が響きました。フィアットは500や500Xのエンジン車の生産が終了したことや、500eなどのEVも政府補助金の終了などで台数が大きく減少したことが響きました。今年は新型のグランデパンダなどで挽回を図ります。
フィアット グランデパンダはEVとマイルドハイブリッド車を用意。価格はそれぞれ2万5000ユーロ、1万9000ユーロからと手頃。
販売台数が躍進した筆頭はトヨタ（＋13.1％）、ボルボ（＋28.4％）、ルノー（＋3.2％）などで、トヨタはハイブリッド車が好調で100万台を突破してマーケットシェアは7.8％に上昇。ヤリス（18万台）とヤリスクロス（19万台）、C-HR（12万台）などが牽引しています。
一方、欧州販売第4位のヒョンデ・キアグループはマイナス（−3.9％）となり、フォード（−17.0％）、テスラ（−10.8％）も2桁減少して明暗が分かれました。ドイツプレミアムブランド勢は、2桁近い減少のアウディ（−9.6％）の他、メルセデス・ベンツも微減（−0.4％）、BMWは微増（＋1.0％）となりました。また、日本メーカーは、マツダを除きスズキ、日産、ホンダ、三菱はいずれも販売増となっています。
