EUの3大市場はマイナス
国別では、年間100万台以上の市場のうち、ドイツ、フランス、イタリアはいずれもマイナスとなる一方、イギリスはプラスで、他にはポーランド(55万台)とハンガリー(12万台)が2桁成長で全体を底上げしました。GDPが2年連続でマイナス成長となったドイツは、コロナ前の2019年の360万台から20%以上減少したままで、経済の低迷と移民規制というアメリカと相似形をなす問題を抱えて、2月23日の連邦議会選挙と新たな政権選びに臨むことになります。
ハイブリッド車の比率は31%に躍進
パワートレーンタイプ別に見ると、EVの販売は2024年からZEV(ゼロエミッション車)の販売比率が義務付けられたイギリスとEUの差が顕著に現れました。政府の購入補助金が止まったドイツ(−27.4%)が大きく全体の足を引っ張ったほか、フランス(−2.6%)やイタリア(−1.0%)もマイナスで、EU27カ国のEV販売台数は−5.9%、シェア13.6%(2023年は14.6%)と低迷したほか、プラグインハイブリッド車(PHEV)もドイツでは増加したものの、全体では−6.8%と振るいませんでした。大きく伸びたのはハイブリッド車(HEV)で+20.9%となり、パワートレーン別のシェアは30.9%(2023年は25.8%)に達しています。
HEVの台数にはいわゆるマイルドハイブリッド車(MHEV)も含まれており、トヨタをはじめとする日本メーカーのフルハイブリッド車に加えて、e-TECHという独自のハイブリッドシステムを持つルノーや、「e-DCT」と呼ぶ小型のハイブリッドシステムを開発したステランティスなど、欧州メーカーが最近投入している48ボルトシステムに電池とモーターを強化したMHEVが増加しています。HEVは、特にフランス、スペイン、ドイツ、イタリアで10〜30%の伸びを示しています。