10月31日から一般公開中のジャパンモビリティショー2025(以下、JMS)は、連日多くの来場者で賑わっています。最高級ブランド「センチュリー」を発表したトヨタは南館1−2ホールを占有したブースでトヨタ、ダイハツ、レクサス、センチュリーの4ブランドの未来像を展開。ホンダは、二輪からジェット機やロケットまで「陸・海・空の総合モビリティカンパニー」の魅力をアピールしています。海外メーカーはドイツと中国、韓国に絞られて国際色は薄れましたが、ここでは輸入車ブランドの注目点を紹介していきます。(タイトル写真:「MINIクーパー3ドア ポール・スミス・エディション」を発表するポール・スミス氏(右)とヨッヘン・ゴラー取締役)写真はすべて筆者撮影。

「テクノロジーオープン」のBMW

かねてより次世代自動車のEVシフト一本槍に否定的だったBMWは、今回もBMW M2 CSやV8エンジンを搭載した「BMWコンセプト・スピードトップ」といった高性能エンジン車から、9月のIAAモビリティで発表した「ノイエ・クラッセ」の第1弾iX3、2028年に発売予定の水素燃料電池車(FCEV)のiX5 Hydrogenまで多様な製品・技術を紹介しています。10月29日のプレスカンファレンスには、BMW本社から開発担当のヨアヒム・ポスト氏、カスタマー・ブランド・セールス担当のヨッヘン・ゴラー氏の2人の取締役と、「ノイエ・クラッセ」のデザイン責任者のオリバー・ハイルマー氏が登壇し、日本市場への力の入れようは相変わらずです。

4つの高性能コンピューターで従来の20倍の演算能力を持つiX3は、SDV(ソフトウエア・デファインド・ビークル)と位置付けられ、「BMWパノラミック・ビジョン」の直感的な操作や、新次元の「駆け抜ける喜び」を実現したといいます。このアーキテクチャーをベースに2027年までに40車種が展開される予定で、ノイエ・クラッセはEVだけでなく、エンジンを搭載した車両にも採用されるようです。

また、iX3のデザインについては、BMWのいわゆるSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)のプロポーションを持ち、「ラインを減らし、クリーンでエモーショナルな新しいデザイン言語」を体現しているとのこと。大型化していたフロントのキドニーグリルもコンパクトな縦長となって、LEDの形作るライトシグネチャーも新世代を感じさせます。

MINIはオシャレなポール・スミス仕様を世界初公開

2002年に日本で発売されたMINIは年間2万台前後の販売を維持して高い人気を保っていますが、本社にとっても日本は特別な市場のようです。MINI部門の経験の長いゴラー氏は、2000年に終了したクラシックミニを最後まで作り続けたのは日本向けだったと紹介し、「日本なしのMINIは想像できない」と親しみを表わしました。

今回のサプライズは、世界初公開のポール・スミス・エディションのアンベールに、デザイナー本人が登場したことです。MINIクーパー3ドア、同5ドア、コンバーチブルの3モデルにホワイト、グレー、ブラックの3色のモデルが設定されブースに展示されています。ポール・スミスブランドにとっても日本は英国に次ぐ世界で2番目のマーケットで、上機嫌のご本人は長いこと写真撮影に応じていました。日本ではまず3ドアのEV「MINIクーパーSE ポール・スミス・エディション」が598万円で発売されました。5ドアとコンバーチブルはガソリン仕様のみで発売は2026年春となります。

MINIは全長約3.8mの3ドア(含むコンバーチブル)と5ドアハッチバック、SUVのカントリーマン、EV専用クロスオーバーのエースマンと多彩なモデルを展開していますが、昨年から一斉にニューモデルに切り替わっており、今年(1〜9月)の国内販売も1万4410台(前年同期比+32%)と好調に推移しています。ブリティシュグリーンをルーフやドアミラーハウジングにあしらい、内装の素材も凝った今回の特別モデルで人気はさらに加速しそうです。

画像: 内燃エンジンを搭載したMINI 5ドアのポール・スミス・エディションは、2026年第1四半期に受注開始予定だという。

内燃エンジンを搭載したMINI 5ドアのポール・スミス・エディションは、2026年第1四半期に受注開始予定だという。

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