10月31日から一般公開中のジャパンモビリティショー2025(以下、JMS)は、連日多くの来場者で賑わっています。最高級ブランド「センチュリー」を発表したトヨタは南館1−2ホールを占有したブースでトヨタ、ダイハツ、レクサス、センチュリーの4ブランドの未来像を展開。ホンダは、二輪からジェット機やロケットまで「陸・海・空の総合モビリティカンパニー」の魅力をアピールしています。海外メーカーはドイツと中国、韓国に絞られて国際色は薄れましたが、ここでは輸入車ブランドの注目点を紹介していきます。(タイトル写真:「MINIクーパー3ドア ポール・スミス・エディション」を発表するポール・スミス氏(右)とヨッヘン・ゴラー取締役)写真はすべて筆者撮影。

日本市場への「コミットメント」を示したBYD

JMS出展が2回目となるBYDは、今年12月に発売するPHEV(プラグインハイブリッド)の「シーライオン6」と、来年後半に発売する軽乗用EV「ラッコ」を発表し話題を集めています。

同社は、今年9月にはEVモデルを大幅値下げする期間キャンペーンを実施し、月間799台の新記録を達成して日本での累計販売台数も7000台を超えました。10月には、新型日産 リーフやトヨタ bZ4Xの改良モデルに対抗して、中型セダン「シール」を33万円値下げして495万円〜とするなど、その性能に対するバリューの高さで日本のEV市場に風穴を開けることが期待されています。中国では、EVよりもPHEVの方が安い価格で販売されており、EV走行距離100km、1.5Lエンジンと合わせて1000kmを超える航続距離を持つ「シーライオン6」も戦略的な価格を設定してくると思われます。

さらに、前回のJMSに来日したBYDの創業者である王伝福会長が日本の街を走る黄色ナンバープレートの車に注目したのが発端という軽乗用EVを2年余りで開発したことに、日本市場に対する並々ならぬ意欲が現れています。

2022年に発売された日産 サクラと三菱 eKクロスEVに加え、先頃ホンダのN-ONE e:が発売され、スズキも2026年末までに軽乗用EVを導入しますが、BYDジャパンは、「全高1800mmでスライドドアのスーパーハイト軽乗用EVはまだ存在しないので、そこでも差別化できる」と自信を覗かせます。速攻開発とはいえ、他の車種と同様に「セル・ツー・ボディ」構造による高いボディ剛性や安全性、ADASなど日本で人気の装備もしっかり搭載するようです。

日産 サクラなどの価格(260万円前後)に対してどこまで攻めてくるかが一番の注目ですが、200万円強で発売されれば、燃料代やメンテナンス費用への意識が高い軽自動車ユーザーから熱い視線を浴びそうです。

画像: わずか2年で開発された「ラッコ」は来年夏に発売に向け、日本でADASなどの走行テストを実施中という。

わずか2年で開発された「ラッコ」は来年夏に発売に向け、日本でADASなどの走行テストを実施中という。

10年の実績がある商用車(EVバス)は小型EVトラックも発売

BYDは、乗用車だけでなく商用車でも、車両総重量3.5トン以下のトラック「T35」を日本向けに専用開発して今回発表しました。10年前からEVバスのK8やJ6などを日本向けに販売し、今年の大阪・関西万博でも33台を提供、累計販売台数も500台に上り日本のEVバスのシェアは7割を占めています。

このように乗用車、商用車ともに日本市場の経験豊かな日本人トップを据えて、店舗展開やアフターサービスも充実させているBYDジャパンの劉学亮社長は、「All for Japan. BYD」「日本にフルコミットしています」と力強く宣言しましたが、その言葉が説得力を持って感じられる今回の展示の充実ぶりです。

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