2025年はEVにとって大きな節目の年となりそうだ。動力を内燃機関からモーターに置き換えるのがいままでの流れだとすれば、2025年以降はソフトウェア主導の新世代EV(いわゆるSDV:Software Defined Vehicle)が続々登場して “クルマ”でできること=世界観が大きく変わり始める。その最前線から、いまもっともアグレッシブな姿勢を見せる、BMWとホンダの動向を俯瞰してみた。(タイトル写真はBMWが2024年5月に公開したコンセプトモデル「スカイトップ」のデザインイメージ)
ホンダは「e-アーキテクチャー」を採用するEVを一気に3台投入
ホンダもその手の内を明かしている。少なくとも2025年には2台の本格SDVが発表される。まずは25年前半に先行受注を開始(納車は2026年から)するソニーホンダモビリティ(SHM)の「アフィーラ」、そして8月に公開されたばかりの「アキュラ パフォーマン EVコンセプト」の量産型だ。ともに2025年末にオハイオの新設されたEV専用ラインで生産が始まる。
さらに翌26年にはホンダブランドによる「ゼロ・シリーズ」の第一弾(セダン)も立ち上がる。3台とも当面はオハイオ工場での生産になるが、アフィーラとゼロはグローバルモデルであり、日本でも発売される。
アフィーラはソニーとの共同開発車であり、アキュラやゼロとはSDVアーキテクチャーに若干の違いはあるかもしれないが、基本的なハードはアキュラやゼロと共用する。一方、アキュラでは将来のハイパースポーツ(NSX後継車?)への可能性にも含みを持たせており、SDVとしての機能はもちろん運動性能面でもハイレベルなポテンシャルも盛り込まれている。