2026年に150万台/年、2030年には350万台/年という大胆なBEV増販計画をコミットしたトヨタ。果たしてそんなことが可能なのだろうか。去る6月8日に開催された「Toyota Technical Workshop 2023」で明かされた次世代技術群を踏まえ、計画達成までのロードマップを3回にわたり紹介、検証していく。今回はBEV(バッテリーEV)の屋台骨となるプラットフォーム戦略にフォーカスした。(タイトル写真は2026年に発売される次世代BEVのイメージ)
BEVファクトリーが強力なリーダーシップを発揮
世界のさまざまな地域でクルマを開発・生産・販売するトヨタが、それぞれの地域の事情に応じて最適なパワートレーンを導入する「マルチパスウェイ」という戦略を貫くのは理解できる。
しかし、クルマをめぐる環境の変化はあまりに急だ。様子見をしているうちに、テスラや中国勢などの新興勢力に先回りされてしまった感は否めない。いま世界中で急速に進むBEVシフトに、トヨタはどう対応するのか。その一挙手一投足に世界が注目している。
このメガトレンドに向き合うべく、2023年5月15日に新設されたのが次世代BEVの開発と事業に特化した専任組織「BEVファクトリー」。加藤武郎プレジデントの強力なリーダーシップのもとに、開発・生産・事業のすべてを一気通貫で行いスピーディに巻き返しを図ろうとしている。