電気代高騰を背景にEV/PHEV用充電認証カード(以下、充電カード)の料金プラン改定の動きが広がっている。自動車メーカー系も提携する「e-Mobility Powerカード(以下、eMPカード)」 は2023年7月1日から、自動車メーカー系ではトヨタの「EV・PHV充電サポートカード」がすでに4月1日から既存プランの基本料金を引き上げた。日産自動車の「ZESP3」も9月1日より新料金プランを導入し併せて加入資格の見直しも発表している。生活必需品の値上げラッシュも一向に収まらないなか、充電カードは本当に必要なのだろうか。(タイトル写真はe-Mobility Powerの急速充電器)

「eMP」と「ZESP3」の規約改定が及ぼす影響

さて冒頭で触れたように、昨今のエネルギー事情を反映して、料金プランの見直し発表が相次いでいる。なかでも、その普及率の高さで二大勢力と言える「eMPカード」と「ZESP3」が業界に与える影響は小さくない。

まずは日本の充電インフラネットワークの基盤でもある「eMPカード」が2023年7月1日から実施する利用規約改定について。主な変更点は、従来の「急速充電プラン」が「急速・普通併用プラン」に統合され、「普通充電プラン」との2本立てに集約されること、カード発行に関する各手数料の値上げ(各+440円)、そして最大出力90kW以上の急速充電器を使用する際のビジター料金の新設だ。「急速・普通併用プラン」は月会費が値下げ(440円)されるのが救いだが、都度料金は急速充電で11円/分の値上げ(16.5円/分→27.5円/分)、普通充電で1.1円/分の値上げ(2.75円/分→3.85円/分)となる。メーカー系カードも「eMPカード」の認証・決済ネットワークと提携しているので、今後影響が出てくることは間違いない。

画像1: 「eMP」と「ZESP3」の規約改定が及ぼす影響
画像2: 「eMP」と「ZESP3」の規約改定が及ぼす影響

一方、自社銘柄車以外でも加入できるとあって日産オーナー以外の利用者も多かった「ZESP3」も2023年9月1日よりサービス内容を改定、つまり値上げされる。すでに5月31日をもって従来設定されていた「プレミアム:3年定期契約プラン」の新規申し込みは終了している。3年間の定期契約で月額1650円オフ、3年間で5万9400円もの値引きがあったのだが、これがなくなってしまったのだ。さらにプレミアムプランに加入していれば普通充電はいくら使っても0円だったが、新規約ではプランを超える都度の普通充電に3.3円/分の料金が発生するようになる。

画像3: 「eMP」と「ZESP3」の規約改定が及ぼす影響

一方では、現在は10分単位の都度料金は、1分単位に細かく設定され切り捨てが少なくなるなどの改善もされる。これで、値上げ分を実質的に吸収できると踏んでいるようだ。また今回の規約改定を機に共有される電気は100%再生可能エネルギー由来となる。

そして最大の変更点は、他社銘柄オーナーの新規加入ができなくなること(規約改定前に契約している他社銘柄車はそのまま継続できる)。ついに、日産も自社銘柄専用サービスへと大きく路線変更する。これにより、独自カードを発行していないスバル、マツダ、上述ブランドの輸入車オーナーは9月1日以降「eMPカード」一択となる。「ZESP3」に加入したければ8月31日までに受付を終了しておきたい。

自宅で普通充電しか使わないと考えている人にとっては、確かに会費が発生する充電カードはコストに見合わないかもしれない。しかし、そんな人でも旅行など遠距離を走る可能性はある。理想は「eMPカード」または「eMPネットワークと提携した各社発行カード」は持っておくべきだが、その費用対効果に納得できないのならば、「Eneos Charge Plus」などランニングコストがかからないカードを持っておくのがお勧めだ。

This article is a sponsored article by
''.