世界でクルマの電動化が進む中、販売台数を加速度的に伸ばし快走を続けるテスラ。前編の「次世代車両コンセプト」に続いて、今回は充電器と自動運転に関する状況について紹介します。(タイトル写真は「テスラ モデルY」)

フォードがテスラのスーパーチャージャーに乗り入れると表明

米フォードは5月25日に、来春から米国とカナダの1万2000台のテスラのスーパーチャージャーでフォードEVの充電が可能になると発表しました。フォードのEVユーザーは、現在のCCS(コンボ)規格の公共急速充電器1万台に加え、「より小型で軽量、信頼性の高い」テスラ製急速充電器をアダプターを用いて利用でき、2025年からはテスラ充電器専用の充電ポートを車両に備えるようです。

これまでは舌戦を交えることが多かったフォードのジム・ファーレー(Jim Farley)CEOとテスラのイーロン・マスクCEOは、同日ツイッター上で音声対談してこの協力を賞賛し合いました。ファーレー氏は、「昨年カリフォルニアをフォードのEVで家族旅行した際に、アクセスしやすい場所にあるテスラの充電ステーション見るたびに『あそこで充電しよう』と子供たちが指差し、その利便性の高さが身に沁みた」と個人的な体験を語りました。

画像: テスラのスーパーチャージャーは全世界で4万2000台が稼働し、毎週150万回の充電が行われている。

テスラのスーパーチャージャーは全世界で4万2000台が稼働し、毎週150万回の充電が行われている。

テスラは10年前から独自の急速充電ネットワーク(NACS)の構築を始め、現在全米で1万7000台以上と、その数は米政府の支援も受けて設置を進めるEVgoやElectrify AmericaのCCS急速充電器の数を上回り、全体の6割を占めています。欧州でも昨年秋からスーパーチャージャーをCCSのユーザーに開放し始め(3月のインベスターデーの時点で50%を開放済み)、全米でも2024年末までに3500台をテスラユーザー以外に開放すると発表しました。

画像: 最大250kWのV3チャージャーの導入もあり、平均充電時間は27.5分と5年で30%短縮された。

最大250kWのV3チャージャーの導入もあり、平均充電時間は27.5分と5年で30%短縮された。

フォード以外のEVメーカーがどう反応するか注目されますが、サイト稼働率99.9%、待ち時間1%以下という高い信頼性と利便性を武器に、今後テスラが他社EVのユーザーの充電ニーズを取り込んでいくことになれば、同社のビジョンである充電の需給をグリッド全体でコントロールする大きな力になります。

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