世界でクルマの電動化が進む中、販売台数を加速度的に伸ばし快走を続けるテスラ。前編の「次世代車両コンセプト」に続いて、今回は充電器と自動運転に関する状況について紹介します。(タイトル写真は「テスラ モデルY」)

テスラの自動運転技術はWaymoやCruiseのロボタクシーより上か下か?

テスラはドライバーの「自己責任」でFSDベータを使用してもらい、そこから完全自動運転に向けてソフトウェアを開発しているわけですが、ドライバーレスの自動運転といえば、Googleが自動運転部門を2016年に独立させたWaymo(ウェイモ)や、GMが買収して傘下に収めたCruise(クルーズ)が代表格です。両社は2014年に始まったカリフォルニア州の自動運転車テストプログラム(AVT)に当初から参画しており、公道運行テスト車の投入台数と走行距離は他を圧倒しています。

2022年のカリフォルニア州自動車局のDisengagement(解除)レポートによると、有人車両の投入台数と総年間走行距離では688台と290万マイルでWaymoがトップ、ドライバー介入なしの平均走行距離ではCruiseが最長となっています(Cruiseが9万5000マイルに一度の介入。Waymoが4万9000マイルに一度の介入)

画像: 2022年のATVのドライバー付自動運転車の走行マイル数。(Source:thelastdriverlicenseholder.com)

2022年のATVのドライバー付自動運転車の走行マイル数。(Source:thelastdriverlicenseholder.com)

Waymoは2017年にアリゾナ州フェニックス市とその近郊でロボットカーによるライドサービス提供を限定的に始めましたが(その後サンフランシスコ市内とその近郊を追加)、2020年秋からはドライバーレスの自動運転車走行を一般に開放し、今年1月に累計100万マイルを達成してその運行実績を公開しています。合計18件の事故の大半が軽度の接触などで、55%は乗車待ちのWaymo車に他のドライバーの運転する車がぶつかったもので、NHTSAに報告するレベルの(車両牽引を要する)事故はわずか2件しかありませんでした。

画像: 自動運転ライドサービスのパイオニアであるWaymoの最新世代の車両はジャガーI-PACE。フェニックス市内の運行動画はこちら。(Source:Waymo)

自動運転ライドサービスのパイオニアであるWaymoの最新世代の車両はジャガーI-PACE。フェニックス市内の運行動画はこちら。(Source:Waymo)

また、Cruiseも混雑したサンフランシスコ市街を中心に、2021年11月からドライバーレス車を運行し、今年2月に累計100万マイル走行を達成しました。4月からは夜間だけでなく、日中も含め24時間ドライバーレス車の運行を認められるなど、その安全性が評価された形です。火事現場に駆けつける消防車など緊急車両の進路をブロックしたケースなども報告されましたが、両社の自動運転のレベルは着実に向上しているようです。

画像: Cruiseはサンフランシスコ市の事故データをミシガン大学などと分析。人間の運転より事故の頻度(-53%)、自動運転車が原因の事故(-92%)、怪我のリスク(-73%)のいずれもが大幅に少ないことを示す。(Source: Cruise Blog Post) Cruiseの運転席から見たサンフランシスコ路上の動画はこちら。

Cruiseはサンフランシスコ市の事故データをミシガン大学などと分析。人間の運転より事故の頻度(-53%)、自動運転車が原因の事故(-92%)、怪我のリスク(-73%)のいずれもが大幅に少ないことを示す。(Source: Cruise Blog Post) Cruiseの運転席から見たサンフランシスコ路上の動画はこちら

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