今月、ホンダが次世代EV「0シリーズ」の開発と発売を中止し、2.5兆円の巨額損失を発表したことは、EV市場の先行きを読み違えたことに対する代償の大きさを示しました。また先々週は、ドイツ3大自動車メーカーの2025年の決算が出揃いましたが、こちらでもEVシフト修正や中国市場の落ち込みで苦闘する姿が浮き彫りになっています。メルセデス・ベンツ、BMW、フォルクスワーゲンの決算発表から今後のドイツ勢の展望を読み解いてみます。(タイトル写真は、BMWの新型i3を発表するオリバー・ツィプセCEO)

堅調なBMWは新型i3でさらに勢いづく

メルセデス・ベンツのライバルBMWは、売上高(1334億ユーロ、前年比−5.9%)と営業利益(101億ユーロ −11.5%)はいずれも減少したものの、販売台数はMINIと合わせて246万台(+0.5%)を維持し、営業利益率は7.7%を確保しました。「フレキシブルパワートレーン」戦略の下、EV、PHEV、電動化ICEの3種類を提供してきた同社は、グローバルでEV比率17.9%、PHEVを含めたxEVでは26%と、ドイツ3社の中で最も高いEV販売比率を達成しています。昨年の欧州での企業平均CO2排出量は99.5g/kmから90g/kmに低減、余裕で目標をクリアしたと今春で退任するオリバー・ツィプセCEOは胸を張りました。

新世代EVシリーズ「ノイエ・クラッセ」第1弾のiX3の受注も好調で、ハンガリー工場で生産される同モデルの欧州での納車が始まったほか、3月18日には第2弾となるi3セダンが発表されました。セダン市場は世界的に縮小しているとはいえ、航続距離900kmを達成した同社のアイコンモデルのEVには大きな期待がかかります。

今年はX5の新型も導入する予定で、こちらはICE(ガソリン&ディーゼル)、PHEV、EV、FCEV(トヨタと共同開発中で2028年導入予定)まで5種類のパワートレーンを用意し、「ノイエ・クラッセ」で開発したソフトウエアやモジュールを搭載して商品力を向上させます(プラットフォームは既存のICEベース)。

BMWは、X1/X2を除くすべてのSUVを米国工場で生産しており、欧州を含む全世界に輸出しています。米国→EUの輸入関税(10%)や中国→EUの対中国製車追加関税の影響(MINIのEVなど)を受けており、米国関税と合わせて今期も営業利益率1.25%の引き下げ要因ですが、これら関税についても低減に向け交渉が進んでいます。目下の最大の課題は、昨年62万6000台(−12.5%)に販売台数が減少し、最近20%の値下げを行ったという中国市場の落ち込みを止められるかどうかでしょう。まもなく中国で生産開始するiX3のロングバージョンなどで、歯止めをかけたい意向です。

画像: 2025年にBMW生産拠点で最大の41万台を生産した米国スパータンバーグ工場の完成車の半数が輸出された。

2025年にBMW生産拠点で最大の41万台を生産した米国スパータンバーグ工場の完成車の半数が輸出された。

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