次なる主戦場は日本? Waymo、Uberほか続々と公道テスト走行を開始
日本国内では2023年4月の道交法改正により、レベル4による自動運転が解禁となった。以来、バスや物流においては実証実験が盛んに行われている(一部サービスイン済み)ものの、ロボタクシーには慎重と思われていた。しかし、このところ大きな動きが相次いでいる。
その先鞭をつけたのがWaymo。タクシー配車アプリでお馴染みのGO、日本交通とパートナーシップを締結して、すでに東京都内でデータ収集を目的としたWaymo車両によるテスト走行(日本交通のドライバーによる運転)を開始している。具体的なサービス開始時期については未定だが、東京都民にとってどのように役立ち、また都市の公共交通として有益な役割を果たせるのかどうか検証を行っている。Waymoが初の海外進出先として日本を選んだのは興味深い。

2025年4月中旬から東京都心7地区でWaymo車両(有人運転)によるデータ収集が始まった。
デリバリーサービスでお馴染みのUberも、日本を含む海外市場でロボタクシー事業への参入を宣言している。すでにタクシー配車アプリでは日本でもおなじみだが、米本国ではWaymoと提携しており、Waymo車両をUberのアプリでも利用できる。この提携を日本国内でも活用する計画だ。サービス開始は「提携先(=Waymo)の準備が整い次第」と発表するにとどまるが、それが整えば、Waymo+GO+日本交通にUberが加わった強力なロボタクシープラットフォームが構築されることになる。
これに対抗する興味深い動きもある。タクシー配車アプリを運営するソニーグループ系の「S.RIDE」は、都内でタクシー事業を展開するグリーンキャブとともに英自動運転ソフトウェア開発会社Wayve(ウエイブ)とパートナーシップを締結し、5月12日よりデータ収集を目的とした公道テスト走行を開始している。このパートナーシップには国際自動車、寿交通、大和自動車交通、チェッカーキャブ無線の参加も予定しており、首都圏を中心とした一大勢力を形成することになる。
ほかにも、中国の百度(バイドゥ)も日本市場進出を虎視眈々と狙っているようだ。グループのPONY.aiには、トヨタ自動車も出資しており、2025年4月に開催された上海モーターショーでは新型bZ4Xベースのロボタクシーが公開されている。公道テストなどの情報はまだないが、中東や欧州での事業展開も見据えている様子なので、その動向が大いに気になるところだ。

上海モーターショーでは、Pony.aiが開発した自動運転車用ソフトウエア/ハードウエアを搭載した新型bZ4Xが公開された。