2025年2月5日(現地時間)、フォルクスワーゲンは2030年に向けた再生計画を明らかにするとともに、2027年の発売を予定する2万ユーロ(約313万円)の新型エントリーEVのコンセプトモデルを3月に公開すると発表した。この新型EVは、「真の意味でのフォルクスワーゲン(国民車)になる」とコメントされているとおり、同社のEV戦略を下支えする重要な1台だ。2030年までに技術的に世界をリードする量販メーカーの地位確立をめざす同社の商品戦略を俯瞰してみた。

2027年にはGTI、そして待望の「ID.1」も登場か

新世代ID.の進撃は2027年も続く。まずは、2023年9月に「IAA(ドイツ国際モーターショー)」にコンセプトモデルとして出品された「ID.GTI」。コンセプトカーはID.2をベースに仕立てられていたが、ほぼ量産車レベルまで完成されており、いよいよ2027年前半には市販モデルとして「ID.2 GTI」として発表される。

画像: 2027年にはID.2の派生車第2弾として「ID.2 GTI」が登場(写真はそのコンセプトモデル)。

2027年にはID.2の派生車第2弾として「ID.2 GTI」が登場(写真はそのコンセプトモデル)。

それに続いて発表されるのが、今回初のティザー画像が公開された「ID.1(仮称)」だ。再生計画の象徴とも呼ぶべきこのエントリーEVは、ID.2ファミリーと同じくMEBエントリープラットフォームによって構築されるフォルクスワーゲンEVラインナップのボトムレンジを支える欧州市場の最量販車として開発されている。かつて生産されていた「up!(アップ)」のようなポジショニングだ。

コンセプトモデルは2025年3月に公開されるが、現状で明らかになっているのは以下のティーザー画像1点のみ。とはいえ、漏れ伝わるのは2021年のミュンヘンモーターショーで公開されたコンセプトモデル「ID.LIFE」に似ているということ。その真偽は不明ながら、コンパクトかつ大人4人が窮屈な思いをせずに移動できる優れたパッケージングが採用される可能性が高い。

そして何より、2万ユーロ(約313万円)からという低価格が魅力。このところ低価格EVの登場や発表が相次いでいるが、その中でも競争力はかなり高そうである。ID.2ファミリーと同様、反撃の起爆剤となることに期待したい。

画像: 「Up!」の後継的なポジショニングとなるエントリーEV「ID.1(仮称)」。ライバルは2026年に先行して市場投入される新型ルノー・トゥインゴか。

「Up!」の後継的なポジショニングとなるエントリーEV「ID.1(仮称)」。ライバルは2026年に先行して市場投入される新型ルノー・トゥインゴか。

This article is a sponsored article by
''.