2025年2月5日(現地時間)、フォルクスワーゲンは2030年に向けた再生計画を明らかにするとともに、2027年の発売を予定する2万ユーロ(約313万円)の新型エントリーEVのコンセプトモデルを3月に公開すると発表した。この新型EVは、「真の意味でのフォルクスワーゲン(国民車)になる」とコメントされているとおり、同社のEV戦略を下支えする重要な1台だ。2030年までに技術的に世界をリードする量販メーカーの地位確立をめざす同社の商品戦略を俯瞰してみた。

EVを中心に「トリプルA」でめざす競争力の強化

深刻な経営不振に見舞われていたフォルクスワーゲンが、新たな労使協調に基づく再生プログラムを発表した。2030年の目標達成を見すえて、eモビリティをコアバリューに据えて「加速(Accelerate)」、「攻撃(Attack)」、「達成(Achieve)」の『トリプルA』を実行していく。

もちろん、自動車メーカーであるからには魅力的なクルマを矢継ぎ早に投入していく。コスト構造を最適化し、既存のモデルラインナップをベースに的を絞った方法(電動化)によって拡張することで競争力を強化していく。

2026年に新世代ID.ファミリーが登場~「ID.2」&「ID.2 SUV」

変革の第1波は、2026年に始まる。前輪駆動EVに特化した「MEBエントリープラットフォーム」採用車の市場投入だ。このアーキテクチャーは、最新の技術をコストバランスに優れたリーズナブルな車両価格で提供することを目的としており、フォルクスワーゲン本体だけではなく、グループ各社でも採用される。

その第1弾が、2023年3月にコンセプトカーとして公開された「ID.2 Allコンセプト」の市販型だ。Bセグメントサイズながらゴルフに匹敵する室内空間を実現しており、なにより2万5000ユーロ(およそ390万円)未満という、当時としては破格のプライスも話題となったあのクルマがいよいよ発売される。内外装デザインにも新たなコンセプトが採用され、今後市場投入される新たなID.ファミリーの先駆け的存在でもある。

画像: 2026年には新世代ID.ファミリーのトップバッターとなる「ID.2」がついに市場投入。2万5000ユーロ未満ながら、ゴルフに匹敵する室内空間を実現する。日本でも発売予定。

2026年には新世代ID.ファミリーのトップバッターとなる「ID.2」がついに市場投入。2万5000ユーロ未満ながら、ゴルフに匹敵する室内空間を実現する。日本でも発売予定。

2026年のID.2とほぼ同じタイミングでそのクロスオーバー版である「ID.2 SUV」も発表される。すでにティーザー画像が1点公開されているが、詳細は現時点で不明。内外の基本デザインやアーキテクチャーの多くをID.2と共用するものの、車高をあげてSUV風味に仕上げたトリムが施される可能性が高い。両車はポロとクロスポロのような関係と考えていいのではないだろうか。

画像: ID.2のクロスオーバー版「ID.2 SUV」も2026年内には登場しそうだ。こちらも日本上陸の可能性が高い。

ID.2のクロスオーバー版「ID.2 SUV」も2026年内には登場しそうだ。こちらも日本上陸の可能性が高い。

なお、ID.2の生産開始は2026年に入ってからだが、2025年後半にはどこかのタイミングで公開されるという情報もある。また時期は明言されていないものの、ID.2は日本市場への投入も明言されており、ID.2 SUVともども早期の日本上陸に期待が持てそうだ。

This article is a sponsored article by
''.