去る2月26日(現地時間)、ついにルノーの次世代コンパクトEV「Renault 5 E-Tech electric(以下、サンク)」が正式発表された。V2G対応を始め最新のテクノロジーをふんだんに投入しながら2万5000ユーロ〜という衝撃的な車両価格を実現している。ルノー・ジャポンも日本導入を検討していることをアナウンスしている。

世界初の商用「V2G」はフランスとイギリスから

そして注目しておくべきは、「V2G(Vehicle to Grid)」への対応だ。ルノーグループのモビライズが提供する双方向充放電システムおよび電力契約により、クラウド管理システムを経由してオンデマンドな充放電が可能になる。

エネルギー市場や公共グリッドからのインセンティブに応じて、車両のバッテリーを充電したり蓄えた電力をグリッドへフィードバックすることができる。

グリッドにフィードバックされる電気は収益化することが可能だ。市場価格と同程度の競争力のある料金でエネルギーを供給し、顧客が電力を販売できるようにすることを保証するという。たとえば、フランス国内で契約すると、インセンティブ額は家庭での充電コストの約半分に相当する。

フランスとドイツではサンクが発売される2024年後半から、英国では2025年から利用可能になる。

まさに先端技術の固まりなのだが、それが2万5000ユーロ〜で実現してしまったのだ。欧州市場を狙う中国勢、そして同じ価格帯で新型車(=ID.2)の投入を狙うフォルクスワーゲンにとっても、一挙にハードルを上げられた感が強い。

なお、ルノー・ジャポンでは、この最新EVを日本でも発売する方向で検討を始めているという(2月27日発表)。一刻も早く、日本の道を走る姿を見てみたい。

【主要諸元 ルノー 5 E-TECH electric 欧州仕様車】
・全長×全幅×全高:3920×1770×1500mm
・ホイールベース:2540mm
・オーバーハング前/後:749/633mm
・地上最低高:145mm
・車両重量:1450kg(52kWhモデル)/1350kg(40kWhモデル)
・荷室容量:326L
・駆動方式:前輪駆動
・サスペンション形式:前ストラット/後マルチリンク
・モーター種類:巻線型同期原動機
・モーター出力: 110kW(150bhp/245Nm)/90kW(120bhp/225Nm)/70kW(95bhp/215Nm)
・バッテリー容量・航続距離(WLTP):コンフォートレンジ52kWh・400km/アーバンレンジ40kWh・300km
・0→100km/h加速:8秒※
・80→120km/h加速:7秒※
・最高速:150km/h※
※=110kWモーター+52kWhバージョンの数値

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