EVだけでなくガソリン車やハイブリッド車も
アメリカやフランス、ドイツ、イタリアなど多国籍の15ブランドを束ねるステランティスは、ブランドの再編を急ピッチで進めているようだ。早くから電動化モデルの拡大を進めて、すでに多くの電動車の販売台数を記録しているプジョーやオペルといったブランドがある一方で、フィアットは2025年から電動化を加速させて2030年のフル電動ラインナップを目指している。
500eや600e(日本未発表)といったEVに続いて2024年2月26日、フィアットは次期型パンダと思われるコンセプトカー「シティカー(City Car)」とともに、「SUV」や「ピックアップ(Pick-Up)」、「ファストバック(Fastback)」、そして「キャンパー(Camper)」という計5台の存在を明らかとした。
このいずれもがステランティスのグローバルプラットフォームを採用して、電気モーター、ガソリンエンジン、ハイブリッドのパワートレーンを搭載、さまざまな国と地域で販売されるという。フィアット創業125周年にあたる2024年7月に最初のモデルを発表して2025年に発売、その後、年に1台ずつ登場させていくようだ。
5つのコンセプトカーの中でもシティカーのボディサイズは現行のパンダよりも大きく、数値こそ記されていないものの「メガパンダ」という言葉とともに紹介されている。デザインはブランド発祥の地イタリア トリノにあり、フィアットの自動車工場でもあった「リンゴットビル」からインスピレーションを受けたもの。画像から確認することはできないが、ビル屋上にあるテストコース「ラ ピスタ 500」を模した楕円形がダッシュボードやシートなどに取り入れられているという。
2019年に発表され、次期パンダではないかと言われたコンセプトカー「チェントヴェンティ(Concept Centoventi)」とよく似たシルエットで、丸みを帯びた2代目や現行型の3代目とは違って、1980年代の初代パンダをモチーフにしたスクエアなラインを持つ。ボディサイズは現行型より全幅が広くなっただけでほぼ同サイズ(全長3680×全幅1740×全高1527mm)だった。
新型がどのようなスタイルで登場するのか楽しみであるが、その時期については明言されていない。