EVシフトの先にあるのがSDV(Software Difined Vehicle)。ソフトウェアによって性能や機能を制御する、いわば電子機器化したクルマだ。その最先端を走るのが、ソニー・ホンダモビリティ株式会社(SHM)が手掛ける「アフィーラ」。予約開始まであと1年余り、現在の進捗状況が最新のプロトタイプとともにCES2024で報告された。(タイトル写真はプレスカンファレンスでスピーチする川西泉SHM社長とプロトタイプ2024)

マイクロソフトやポリフォニー・デジタルも参加、広がるSDVの未来

社内の知見に頼るだけでなく、社外のクリエーターやデベロッパーが開発に参加する「AFEELA共創プログラム(仮称):AFEELA Co-Creation Program」の進捗も報告された。今回新たに発表されたのは、「Microsoft」そして「ポリフォニー・デジタル」との連携・協業である。

●Microsoftと連携した対話型パーソナルエージェントの開発:Microsoft Azure OpenAI Serviceを活用した専用の対話型パーソナルエージェントの開発:自然言語によるシームレスなコミュニケーションと会話のようなインタラクションを実現する高度な音声対応システムを目指している。

画像: マイクロソフトと連携して対話型パーソナルエージェントの開発も進めていることを発表。

マイクロソフトと連携して対話型パーソナルエージェントの開発も進めていることを発表。

●ポリフォニー・デジタルと車両開発の協業を開始:ポリフォニー・デジタルのシミュレーション技術とSHMの実車開発技術を融合。人の感性・官能領域でバーチャルとリアルを融合した車両開発を加速する。なお、「グランツーリスモ7」のアップデート版にアフィーラプロトタイプ2024を収録予定。バーチャルな試乗体験ができる。

画像: 「グランツーリスモ7」のアップデート版にアフィーラプロトタイプ2024を収録する予定だという。

「グランツーリスモ7」のアップデート版にアフィーラプロトタイプ2024を収録する予定だという。

「走る」「曲がる」「止まる」。ハードウェアとしてのクルマはすでに完成の域にある。一方、SDVはその概念の一部が実用化されつつあるものの、まだ未知の領域だ。各社さまざまな取組みを発表しているが、これぞSDVと言える実車はまだ世に出ていない。つまり、競争のただ中にある。そのトップランナーが「アフィーラ」だ。今後各社のベンチマークとなることは間違いないだろう。

【主要諸元 アフィーラ プロトタイプ2024】
・全長×全幅×全高:4915×1900×1460mm
・ホイールベース:3000mm
・駆動方式:AWD
・駆動用モーター出力:前180kW/後180kW
・バッテリー種類/容量:リチウムイオン/91kWh
・充電許容量: DC150kW/AC11kW
・サスペンション形式:前ダブルウイッシュボーン/後マルチリンク
・タイヤサイズ:前245/40R21 後275/35R21

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