フレキシブルなパワートレイン戦略はEV過渡期の順応力が高い
BMWのオリバー・ツィプセCEOは、かねてより「エンジン車の販売禁止の時期を決めることは賛成しない」と主張し、「順応力を持つ(resiliant)ためには、フレキシブルである必要がある」と、3つのパワートレインに等しく力を入れていますが、その戦略が今のところ成功しているように見えます。
メルセデスは、EQA、EQB、EQC、EQE、EQS、EQV、EQTまでBEVのフルラインアップを誇りますが、販売台数ではBMWに一歩遅れをとっている形です。アウディも、2026年以降の新型車は全てBEVにする戦略ですが、Q6 e-tronなどポルシェと共同開発したBEV専用プラットフォーム(PPE)車の発売の遅れや、PHEVにあまり力を入れていなかったことが裏目に出た形で、3社の中では後塵を拝している状況です。

新型メルセデス・ベンツEクラス E400e. モーターのみで100km走行が可能なPHEV。
フォルクスワーゲングループ(VW)全体でも、上半期のBEVの販売台数は32万1000台で、440万台の総販売台数うちのシェアは7.4%と伸び悩んでいます。特に世界販売の3割以上を占める中国のNEV(新エネルギー車)市場での競争力不足が深刻で、フォルクスワーゲンは新興EVメーカーのXpeng(小鵬)に資本参加し、アウディは提携先の上海汽車のプラットフォームを利用してNEVのラインアップを補完するという戦略に舵を切りました。VWによれば、これらは「in China, for China」戦略の一環で、中国市場特有のICV(Intelligent Connected Vehicle)の強化のためということです。

2018年にフルサイズSUVのBEV「e-tron(現在のQ8 e-tron)」を発売し高い評価を得たアウディだが、その後はe-tron GTとQ4 e-tronのみでBEVラインアップの充実が待たれる。