フォードはリーマンショック以来の巨額赤字
「EVの未来」に大胆に舵を切り、テネシー州とケンタッキー州に「ブルーオーバルシティ」と呼ぶ、バッテリーセルからEVまで生産できる巨大な一貫工場を建設していたフォードは、2025年12月に戦略の大転換を発表しました。
韓国SKオンと合弁のバッテリー生産工場については、テネシー工場はSKオンに譲渡、ケンタッキー工場は自社で所有してデータセンター向けなどの蓄電池工場に転換し、2027年から年間20GWh(ギガワットアワー)のLFPバッテリーを生産します。また、テネシーのEV生産工場(未稼働)は、2029年から次世代トラック(ガソリン車)を生産します。195億ドルに上る巨額のEV関連損失は2027年まで3年間にわたり計上される計画で、2025年度は82億ドルの純損失となりました。

2025年末で生産が打ち切られたフォード F150ライトニング。
米国モデル別販売で不動のナンバーワンであるフルサイズピックアップトラックF-150のEV「ライトニング」を2022年に導入したフォードですが、2025年の販売台数はもうひとつの看板EVである「マスタング マッハE」の半分程度の2万7000台にとどまりました。アルミ部品サプライヤーでの火災の影響もあって、創業地ディアボーンのルージュ工場で行われていた「ライトニング」の生産は昨年末に打ち切られ、2027年からはEVでなくEREVのF150を生産します。
一時は年15万台の生産体制を整えたフルサイズピックアップEV(価格5万〜9万ドル)は期待どおりに翔ばず、フォードは「今後大型EVの開発はやめ、アフォーダブルなモデルに注力する」と声明しました。(ライバルのシボレー シルバラードEVの販売台数も1万台強で、ステランティスは同社のラムピックアップトラックEVの導入を中止しました)

56億ドルを投資し6000人を雇用して2025年に生産開始予定だったテネシーのEV生産工場は次世代トラック(エンジン車)を生産する。
