2025年1月8日(日本時間)、米ラスベガスで開幕したCESは、予想どおりAI一色の様相を呈していました。スマートホームやSDV(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)など、メガOEMやティア1サプライヤーの展示内容そのものは前年と大きくは変わらなかった印象ですが、2024年よりも一層AIにフォーカスした印象です。自動車においては、大規模言語モデル(LLM)と生成AIによるIVI(イン・ヴィークル・インフォテイメント)と自動運転(AV=Autonomous Vehicle)への流れが加速し、これから実装されていく技術がより明確になってきました。NVIDIAのジェンスン・フアンCEOの基調講演では、AVとヒューマノイドが当たり前になる未来が提示され、自動運転車の実現性への期待が高まりました。フアン氏の講演とADASの老舗であるモービルアイやロボタクシーのトップランナー ウェイモの展示などから、AVの現在地について読み解いてみます。(前編・後編にわけて掲載します。本記事は前編)

タイトル写真:NVIDIAフアンCEOによる基調講演の模様。写真提供はCTA

プライベートでもビジネスでもAIエージェントが活躍か

CESの開幕前夜の基調講演は最大の見せ場ですが、今年は時価総額3兆ドル超えでアップルと世界一位の座を競っているNVIDIAのジェンスン・フアンCEOが登壇しました。講演2時間前の開場時刻のさらに2時間前から行列ができ、会場のマンダレイ・ベイホテルのアリーナは、さながらテイラー・スイフトのライブのような熱気に包まれました。(かく言う筆者は出遅れて、会場を諦め結局ホテルの部屋でオンライン視聴したわけですが)

はじめて聞くフアンCEOの講演でしたが、トレードマークの黒のレザージャケットは煌めくラメが全面にあしらわれ、ロックスターさながらの登場ぶりでした。1時間30分にわたるそのプレゼンテーションの内容も、AIのもたらす未来を俯瞰してみせたもので、ゲームやITに疎い筆者にも充分な衝撃を与えました。

フアン氏は、まず最新のゲーム機のアクセラレーターであるブラックウェルRTX 50シリーズを発表しましたが、その後、AIがこれから世界にもたらす変化として、3つを挙げました。

1、AIエージェント
2、AV(Autonomous Vehicle=自動運転車)
3、ヒューマノイドロボット

まずAIエージェントですが、すでにスマートフォンではSiriやGoogleアシスタント、家電ではAlexaやルンバ、クルマでも「ヘイ、メルセデス」と呼びかけるMB.OSや中国のEVメーカーNIOのNomiのような対話型アシスタントが私たちの日常に徐々に入ってきています。

2022年秋に導入されたChatGPTがこの2年で飛躍的に向上したように、大規模言語モデルを活用した生成(ジェネラティブ)AIは指数関数的進化を見せており、近い将来、会社や組織においてもIT、人事、設計、在庫管理などあらゆる場面で、AIエージェントが活躍するようになるとフアン氏は語りました。

たしかに日毎に賢くなるGPTとやりとりしていると、人間がAIエージェントに知識や判断を頼る日がそう遠くないかもと思わせます。

画像: 様々な現場でAIエージェントが活躍する時代に(NVIDIA 配信動画よりキャプチャ) youtu.be

様々な現場でAIエージェントが活躍する時代に(NVIDIA 配信動画よりキャプチャ)

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