ホンダ ゼロの兄妹車だが独自のソフトウェア投入の可能性も
つまるところ、新型アキュラ RSXはホンダ ゼロSUVの事実上の兄妹車といえるだろう。生産拠点も同じで、ゆえにSDVとしての性能もほぼ同等と予想はできる。とはいえ、個性的なスタイリングやラグジュアリーなインテリア、そしてなによりアキュラのDNAであるダイナミックな走行性能(ホンダ ゼロより強力なモーターを搭載する可能性もある)はRSXの個性を際立たせることになる。
もちろんSDVの利点を活かした、独自のソフトウェアやアプリもOTAで提供されるはずだ。SDVの時代においては、メカニカルコンポーネンツの共用はさほどの意味は持たなくなる。
アキュラのEVといえばGMとの共同開発車である「アキュラ ZDX」がラインナップされているが、こちらの生産はGMによるもの。その点で、新型RSXは開発から生産まですべてホンダ。それゆえ、関係者の期待も大きい。
アキュラ ナショナル セールスのアシスタントバイスプレジデントであるマイク・ランゲル(Mike Langel)氏のコメント
「新型RSXはクーペのようなシルエット、運転する楽しさを追求したパフォーマンスの実現などかつてのRSXを彷彿とさせ、新時代のRSXを名乗るにふさわしいクルマとしてブランドに帰ってきます。RDX、MDX、TLX、インテグラなどの内燃機関ラインナップには2025年春新たにエントリーモデルのADXが加わります。一方、完全電動モデルでは2024年仲間に加わったZDXに加えて、2025年後半に新たにRSXが加わることで新たな顧客を獲得できるでしょう」
<ホンダ北米BEVプロジェクトのエグゼクティブチーフエンジニア兼リーダーであるマイク・フィッシャー氏のコメント>
「ホンダEVハブの設立は、EV生産の開始であるだけでなく、ホンダとアキュラの製造アプローチの全面的な再考を意味し、EV生産のグローバルスタンダードを確立するものです」
今回はあくまで車名と公道テスト開始の発表にとどまり、細かなスペックへの言及はない。とはいえ、今後フロントマスクやインテリア、そしてスペックなども徐々に明らかになるだろう。同時にホンダ ゼロのSUVおよびSALOON、さらに2026年内に発表予定のエントリーSUVに至るまで、ホンダの新たな一歩も続々と明らかになってくるはずだ。日本では日産・三菱自との提携問題が話題の中心となっているが、北米を中心にホンダは新たな時代に向けて着々と歩を進めている。続報に期待だ。