市街地アイズオフの運転支援にも対応可能なポテンシャル
そもそもテスラ車には、「フルモデルチェンジ」という概念は希薄だ。なぜなら、OTAによって常に最新の状態を維持することが可能だから。ちなみに日本には、2024年4月に最新の自動運転ハードウェア「HW4.0」を搭載したモデルが上陸しているが、これはドライバーの監視が不要な自動運転レベル3以上の実現に備えたもの。もちろん、今回のアップデートモデルにも標準搭載しており、高速道路から市街地までシームレスにアイズオフが可能な自動運転レベル3に対応するポテンシャルが与えられている。
今回、日本仕様の新型モデルYに用意される自動運転関連パッケージは以下のとおり(すべて有償オプション)。ちなみに正面警告、アクティブ緊急ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)、車線逸脱防止機能はすべて標準装備である。
・「エンハンスト オートパイロット」:43万6000円
オートレーンチェンジ/ナビゲートオンパイロット/オートパーキングなど。シンプルサモン、エンハンストスマートサモンにも後日対応予定。
・「フルセルフドライビング ケイパビリティ」:87万1000円
ベーシック オートパイロットおよびエンハンスト オートパイロットのすべての機能。信号機/一時停止標識コントロール、市街地でのオートステアリングなどにも後日対応予定。
2024年10月10日に開催された「WE,ROBOT」イベントでは、イーロン・マスクCEOが2025年中にも市販のテスラ車で「ドライバーの監視が不要」なアイズオフ=自動運転レベル3の実用化を(一部の州で)実現すると宣言した。上述の「フルセルフドライビング ケイパビリティ」は、いわばそれを実行するための基盤である。日本でそのポテンシャルをすべて利用できるまでには少々時間がかかりそうだが、その対応能力が潜在的に与えられているという点では選んでおいて損はないオプションなのかも知れない。
外観・内装、そして機能まで。確実に未来のクルマに近づいてきたテスラモデルY。発売以来、圧倒的な販売台数を誇ってきたものの、その後を追うライバル勢もその勢力分布を拡大しつつある。今回のバージョンアップでさらなるライバル勢の引き離しが叶うのか、今後の動向に注目しておきたい。
新型テスラ モデルY ローンチシリーズ ロングレンジAWD 主要諸元
・全長×全幅×全高(mm):4800×1980ミラー格納時×1625mm
・トレッド(前/後):1635/1635mm
・最低地上高:167mm
・乗車定員:5名
・トランク容量(前+後):2130L
・駆動方式:AWD(デュアルモーター全輪駆動)
・充電電力:最大250kW(※15分で最大266km分充電)
・車両重量:1990kg
・航続距離:635km(自社測定値)
・0→100km/h加速:4.3秒
・最高速度:201km/h
・車両価格:683万9000円
新型テスラ モデルY ローンチシリーズ RWD 主要諸元
・全長×全幅×全高:4800×1980ミラー格納時×1625mm
・トレッド(前/後):1635/1635mm
・最低地上高:167mm
・乗車定員:5名
・トランク容量(前+後):2130L
・駆動方式:RWD(シングルモーター後輪駆動)
・充電電力:最大170kW(※15分で最大229km分充電)
・車両重量:1920kg
・航続距離:547km(自社測定値)
・0→100km/h加速:5.9秒
・最高速度:201km/h
・車両価格:595万円