2024年11月21日、ホンダは「夢の次世代電池」とも呼ばれる車載用全固体電池の量産化に向けたパイロットラインを公開した。国内自動車メーカーでは、日産自動車に次ぐお披露目となる。車載用の全固体電池は、トヨタを筆頭に日本勢が圧倒的な優位にあると言われているが、世界的な開発競争の激化により、あと数年で量産車への搭載が始まるという予測も現実味を帯びてきた。(タイトル写真はホンダが全固体電池を初搭載するとみられるスーパースポーツカーのコンセプトカー)

リードする日本勢の背後に迫る中国勢。その開発スピードの速さは驚異的

これで日本の電動モビリティは安泰か、と言えば必ずしもそうとは断言はできなくなってきた。海外のメジャープレイヤーたちが、日本との距離を急激に詰めてきているのだ。なかでも中国勢の動静は注視していく必要がある。

「EV用の全固体電池はあと2~3年で高級EVに搭載が始まる」と予想したのは、中国BYDのチーフサイエンティストを務める廉玉波氏である。廉氏は、「全固体電池がEVに搭載される時期は、大方の予想よりもかなり前倒しされて、あと2~3年後には高級EVから採用が始まり、5年後には中~低価格帯のEVにまで普及していく」と語った。

全固体電池を巡る直近半年間の中国勢の動向から、目立ったものを以下に抜き出してみよう。

・4月:広州汽車(GAC)が2026年から大容量全固体電池を実車に搭載する計画を発表
・5月:CATLが2027年に全固体電池の小規模生産を開始する計画を発表
・6月:中国政府がCATL、BYD、SAIC、Geely、第一汽車、WeLion New Energy Technologyの6社に全固体電池の研究開発に総額60億元(約1200億円)の支援を発表
・8月:上海汽車が2026年までに全固体電池を量産化する「500日カウントダウン計画」を発表
・9月:中国CATLが2027年に全固体電池の小規模生産計画を発表
・11月:CATLが全固体電池のサンプルテスト開始を発表
<以上出典:36Kr Japan/日本経済新聞>

現地メディアによれば、CATLは研究開発チームを1000人以上に拡大しており、2027年の小規模生産に向けて巨額の開発投資を行っているという。また、広州汽車や上海汽車が2026年に全固体電池搭載車をデビューさせるとの発表も大いに気になるところだ。トヨタを意識したものだと思われるが、もしも実現すれば世界に与えるインパクトは相当なものになる。

画像: 急激な追い上げを見せる中国勢。なかでも車載バッテリーで世界シェア ナンバー1を誇るCATLの動向はチェックしておきたい。

急激な追い上げを見せる中国勢。なかでも車載バッテリーで世界シェア ナンバー1を誇るCATLの動向はチェックしておきたい。

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