2024年11月7日、マツダは「2025年3月期 第2四半期決算説明会」を開催した。上期となる2024年4月1日から9月30日までの決算を発表するとともに、同社が2022年から取り組んでいる中期経営計画の進捗状況を説明。待望の「次世代CX-5」や2027年に発売される「EV専用車」のアウトライン、さらに2027年に市場投入される新型4気筒エンジン「SKYACTIV-Z」の存在も初めて明らかにされるなど、電動化と内燃機関の進化を両立する堅実な計画が一歩踏み込んで語られた。(タイトル写真はイメージ:中国で発売されたEZ-9のデザインスケッチ)

「SKYACTIV-Z」で効率のよい究極の内燃機関を実現へ

PHASE2で注目すべきは、電動化時代にあっても内燃機関の開発はやめないと宣言したことだ。ロータリーエンジン開発は強化され、さらには究極のガソリン燃焼エンジン「SKYACTIVE-Z」を2027年度中に投入する。

新エンジン「SKYACTIV-Z」は、通称ラムダワン(λ=1)燃焼と呼ばれる理論燃焼を実現し、低回転域から高回転域までスーパーリーンバーン燃焼を行う。日産自動車も次世代e-POWER向けにラムダワン開発を進めており世界最高レベルの熱効率50%を実現するようだが、おそらくマツダはそれに勝るとも劣らない熱効率を達成してくるだろう。

欧州ユーロ7、米国LEV4・Tier4など最新の環境基準に適合しており、まずは4気筒エンジンを市場投入、将来は6気筒エンジンにも要素技術を採用していくとのこと。これに前述のハイブリッドシステムを組み合わせれば、効率はさらに高められるだろう。

なお「SKYACTIV-Z」の市場投入と前後して、既存エンジンのラインナップ構成の見直しも行われる模様だ。「SKYACTIV-Z」は、現行モデルに搭載されるSKYACTIV-GやXの後継機であることも明らかにされ、2027年以降は4気筒、6気筒ともにエンジンのバリエーションは徐々に絞られるようだ。

国内、中国市場へのテコ入れが今後の成長のカギを握る

2025年初頭にはブランドショールームを東京・南青山に開設。今秋に国内発売がスタートしたCX-80ほか、マツダの新たなブランド発信拠点として都市圏マーケットの強化に乗り出す。また同年には長安汽車との共同開発第2弾となるEV/REEVのクロスオーバーSUVも中国に投入される。そしておそらく、同年度中には待望の次期CX-5が発表されるだろう。

画像: 今秋よりようやく国内発売が始まった3列シートSUVのCX-80。マツダブランドのプレゼンス向上が期待される。

今秋よりようやく国内発売が始まった3列シートSUVのCX-80。マツダブランドのプレゼンス向上が期待される。

画像: 長安汽車とのコラボレーション第2弾となるクロスオーバーSUV(EV/REEV)も2025年に発売される。

長安汽車とのコラボレーション第2弾となるクロスオーバーSUV(EV/REEV)も2025年に発売される。

なお、今回の決算には間に合わなかったが、北米市場での好調は10月に入っても持続しているようだ。10月単月で3万7307台(前年同月は2万504台)、累計では35万759台(同29万6121台)と劇的な増販ペースが続いている。けん引しているのCX-5、CX-50、CX-30だが、どのモデルもまんべんなく増えており、すでにマツダがブランドとして認知されていることを証明している。

この成長軌道を維持し、さらなる高い目標を達成するには、弱含みの国内、および中国市場のハンドリングにかかっているといえるだろう。世界中の自動車メーカーが悪戦苦闘するなか、小規模ながら独自の電動化路線を着実に進めているマツダの健闘に期待したい。

This article is a sponsored article by
''.