FCEVの普及を加速させる起爆剤になるか
日本での販売は久しぶりとなるCR-Vの導入というニュースだけでなく、国産自動車メーカー初のプラグインで充電できるFCEVだ。CR-Vのエンジンマウントを活用する量産モデルベースのFCEVで、従来のクラリティフューエルセルより燃料電池システムのコストを大幅削減した。燃料電池車業界に新しい風を送り込んできたホンダの新型SUVが「CR-V e:FCEV」だ。
FCEVの普及を加速させるモデルとして期待されるこのモデルの概要は、すでに2024年2月28日に公開されていたとおりで、今回2024年7月19日に正式発売されたことになる。自治体や企業だけでなく一般ユーザーも購入できるシステムだが、販売方法は「リース」に限られて車両価格は809万4900円に設定される。
FCEVのコアとなる燃料電池(FC)スタックは刷新され、補機類の高効率化を徹底、新構造セルの採用で生産性を向上、生産工場の完全自動化・高速ライン化させるなど、製造効率の良さを重視したことにより、コストを従来システムの3分の1に削減できたのだという。
GMとの共同開発によって誕生したFCシステム(コアドメイン)は今後乗用車に搭載されるだけではなく、商用車や定置式電源、建設機械といったさまざまなジャンルでの活用を検討され、他社との協業も含めて取り組んでいくという。ホンダはCO2排出量ゼロ、エミッションフリーのエネルギー需要の促進、社会全体でのカーボンニュートラル化に、このFCシステムを持って貢献していくとしている。
ホンダ CR-V e:FCEV 主要諸元
●全長×全幅×全高:4805×1865×1690mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:2010kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:130kW(177ps)
●最大トルク:310Nm
●駆動方式:FF
●燃料種類:圧縮水素
●水素タンク容量:109L(前53L+後56L)
●一充填走行距離:約621km
●バッテリー:リチウムイオン電池・17.7kWh
●一充電走行可能距離:約61km
●タイヤサイズ:235/60R18
●車両価格(税込):809万4900円