コストパファーマンスの高いリープモーターのEV
リープモーターは、2015年にエレクトロニクスやAIを専門とするエンジニアの朱江明氏によって「世界クラスのインテリジェントEV会社」になるべく浙江省杭州市に設立されました。現在、ミニEVの「T03」を始め、中型SUVの「C11」や5メートルのセダン「C01」などを販売していますが、高機能なコクピットやトップクラスのADAS性能を持ちながらも価格はT03が49,900元(100万円)から、スタイリッシュなC01でも139,800元(280万円)からと非常にコストパフォーマンスが高い印象です。

全長5m超のセダンC01はEVとレンジエクステンダー式PHEVの両方を揃える。43kWhの電池を積むPHEVはEV走行316km、1,276kmのトータルレンジを持つ。(写真:リープモーターHPより)

全長3.6mのT03はフロントモーターで駆動するEV。41kWhのリン酸鉄リチウム電池搭載モデルの航続距離(CLTC)は400kmを超える。(写真:ステランティス)
ドイツ勢も中国産モデルを逆輸入
実は今回のステランティスと似通った戦略を、ドイツプレミアムメーカーのメルセデス・ベンツやBMWも採用しています。メルセデスは、2020年に吉利汽車との合弁として「スマート」ブランドを一新して、小型で量販価格帯のEVである「スマート#1」や「スマート#3」を欧州に逆輸入を始めており、BMWは2018年に設立した長城汽車との合弁会社で、北京モーターショーで発表したMINI「エースマン」の生産を開始し欧州に輸入します。製造コストが安いだけでなく、デジタルコクピットや自動運転、さらにはモーターや電子制御のシャシー技術においても中国勢は目を見張る躍進を遂げており、製品の開発においても協力することは避けて通れなくなっています。

全長4.07mでミニクーパーとカントリーマンの間に位置する「エースマン」はEV専用で、上海に近い江蘇省張家港市の長城汽車との合弁工場で生産される。

4月に北京ショーでお披露目されたスマートの3車種目となるミッドサイズのSUV 「スマートコンセプト#5」 デザインをメルセデスが、エンジニアリングと生産を吉利汽車が担当する。(写真:吉利汽車)