2023年12月12日、DMM.comはEV充電サービス「DMM EV CHARGE」の新たなプランを発表。これと同時にCHAdeMO(チャデモ)とNACS(ナックス)、ふたつの規格に対応した急速充電器も公開した。

日本初、CHAdeMOとNACSに対応したダブルコネクタ急速充電器

オンラインゲームやアニメの配信をはじめ、証券や英会話など60以上の事業を展開しているDMM.com。「なんでもやってるDMM」というキャッチフレーズをCMで見たことがある人もいるかもしれないが、その言葉どおり近年では水族館やライフエンド(終活)事業も始めるなどバリエーションはとにかく豊富である。

そんなDMMは2023年5月、電動車向け充電サービス「DMM EV CHARGE」の開始を発表。地球温暖化対策、カーボンニュートラルの観点からEVやプラグインハイブリッド車への注目度が高まる中で、遅れていると言われているEV充電インフラの拡充に向けた事業を展開する。

ショッピングモールやアミューズメントパークといった商業施設、宿泊施設、公共施設、マンションなど事業者向けに初期費用とサービス利用料を無料にする「0円プラン」も用意した。また、DMMアカウントと連携して決済できるアプリを構築してユーザーフレンドリーなシステムとする。

急速充電器の「0円プラン」はすでに展開していたが、今回、新たに発表されたのはNACSとCHAdeMOのダブルコネクタ急速充電器を無料で導入できる「0円プラン」を、まずは充電プラグ100口分提供するというものだ。事業者の充電器導入にともなう機器や工事といった初期費用、月額費用、電気代を無料にする。

画像: DMM.comはエンターテインメント企業とした上で「EV充電の課題を解決することで、EVをもっと楽しんで欲しい」と語った、EV事業部の板垣良太 事業部長。

DMM.comはエンターテインメント企業とした上で「EV充電の課題を解決することで、EVをもっと楽しんで欲しい」と語った、EV事業部の板垣良太 事業部長。

このプランは地域を限定せずに全国(一部離島を除く)の事業者を対象としているが、今のところガソリンスタンドとコンビニエンスストアへの導入に限定している。GSとコンビニにした理由については、ユーザーにとって身近な施設であり、30分以内の短時間滞在をすることが多いからだという。ただし、対象施設のジャンルは今後拡大する計画だ、としている。

ユーザーにとって充電場所の選択肢が増えることに加えて、「従量課金制度」を導入することで不公平感がなくなるというメリットもある。現在の一般的な急速充電器は時間課金制度を採用しており、充電器やクルマの充電性能、充電電気量に関わらず、接続した時間によって料金が請求されるシステムだ。

そこでDMM EV CHARGEの急速充電では、ガソリンと同様に充電した電気量1kWhあたり55円に設定し、課金されるシステムを導入する。電費はクルマによって異なるものの平均は6.0km/kWh前後だといわれているので、この場合100km分の充電をしたら料金は約920円という計算だ。

画像: 急速充電器の出力は90kWで、2台同時に充電することもできる。

急速充電器の出力は90kWで、2台同時に充電することもできる。

今回の発表の最大のトピックは、ひとつの急速充電器にCHAdeMO規格とNACS規格のふたつの充電プラグが装備されていることだ。CHAdeMOは日本独自の規格で、国産車はもちろんメルセデスEQやBMW iなど輸入ブランドも対応している。一方のNACSはテスラが開発した規格だ。このふたつを用意すれば、国内を走る急速充電対応EVはほぼすべてカバーできるはずだ。

これまでテスラユーザーがCHAdeMO充電器に接続する際は大きなアダプターを介していたが、DMM EV CHARGEの急速充電ではひと手間がなくなって直接NACSのプラグを挿入することができるというわけだ。

今回の発表の後、2024年夏以降に実機を導入して、EVユーザー向けにサービスを開始していく予定だという。

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