100kWhを超える大容量バッテリーを搭載したEVが続々と誕生している昨今、2025年には10分間の充電で100km以上の走行距離が取り戻せるのが当たり前になることが期待されている。そんな時代に対応した急速充電器「MITUS(ミタス)」が、新電元工業株式会社から発表された。発売は2025年春。本稿では日本の急速充電事情も交え、MITUS登場の背景を深堀りしてみたい。

日本の充電インフラは発展途上、政府指針に大きな変化

最近、欧州、米国、中国そして韓国で増加しているのが100kWh近い大容量電池を搭載し、受電能力を大幅に高めたEVだ。現地では、350kW級や450kW級の急速充電器も登場しており、充電に要する時間は大幅に短縮されつつある。

ひるがえって、日本の充電インフラはまだ発展途上だ。最近増えている90kWや150kW基といえども空冷式充電ケーブルでは、実際にその能力をフルに発揮できるのは上述のとおり最初の10分〜15分ほど。また実際の充電出力は、受け入れる車両のバッテリーの状態(容量・残量・温度ほか)に加えて、充電器の充電ケーブルの温度上昇などの影響も大きいので、常時表記された性能が発揮されるわけではない。これには、政府の掲げる政府の基本指針が大きく影響している。要約すれば、以下のような考え方だ。

充電能力は電流(V)×電圧(A)で表され、車両と充電器におけるVとAのそれぞれの低い方が上限となる。たとえば、300V・250A(=75kWhバッテリー)の車両に90kW急速充電器(300V・200A)で充電をした場合、300V×200Aで充電、つまり実際には60kWで充電したのと変わらない。闇雲に充電器の出力を上げたところで、そのメリットを享受できるEVの数が現状ではまだそれほど多いわけではない。よって、現在設置が始まっている150kW基であっても流す電流/電圧よりも、充電口数を増やす方が現実的である……。

とは言え、50〜60kWh級のバッテリーがせいぜいだった時代はともかく、輸入EVを筆頭に日本でも90kWh級の日産アリア(B9:91kWh/352V)や70kWh級のレクサスRZ450e(71.4kWh/355.2V)なども発売された。今後はさらに高性能・大容量バッテリー搭載車が続々と登場することが見込まれる。EVシフトを推進するなかで、充電口数を増やすだけではなく、充電時間の短縮も併せて考える必要に迫られてきたのだ。

画像: 2026年に発売予定のレクサスLF-ZC。航続距離1000km(CLTCモード)からもわかるように高性能・大容量次世代バッテリーを搭載するがそれを活かす充電インフラの整備にも期待。

2026年に発売予定のレクサスLF-ZC。航続距離1000km(CLTCモード)からもわかるように高性能・大容量次世代バッテリーを搭載するがそれを活かす充電インフラの整備にも期待。

経産省も今年7月に検討会を設置、新たな基本方針の見直し作業に着手。10月には、充電器の設置目標を従来から倍増(2030年までに15万口→30万口)するとともに、総数・総出力数を現在の10倍とすることを表明した。とくに急速充電器に関しては以下のような新たな指針が数値目標とともに示された。

【急速充電(公共用、主に経路充電)】
・2030年に向けて3万口を目指し、平均的な出力を(現状平均の40kWから)2倍の80kWまで引き上げる。
・(前略)高速道路など充電ニーズが高い場所においては、1口90kW以上の高出力の充電を基本とし、とくに需要の多い場所においては150kWの急速充電器も設置する。
・90kW以上を設置する場合には、複数口に対応した機器を設置し、設置数が増える場合には小型・分離型の充電器を設置する。
・(前略)IC付近の高速道路外のEV充電器の活用も含め、電欠の不安を緩和するため、とくに高速道路における整備間隔の目安を示す。概ね70km以上の間隔が開かないようにしつつ、ユーザーを限定しない形で充電器を配備する。
・高速道路会社と充電事業者はSA/PAにおいて、今後2025年までに1100口程度まで整備を進める(目標)。
・道の駅、公道、SS、コンビニ、ディーラーなどで、駐車スペースに余裕がある場合や充電ニーズの高い場所では、1口の出力が90kW以上で複数口に対応した充電器の設置を行い、難しい場合でも50kW以上の出力を確保する。
(「充電インフラ整備促進に向けた指針」/2023年10月:経済産業省より抜粋)

折しも、初期に設置された急速充電器が更新期に差し掛かっており、このタイミングを逃すとEVの進化に充電インフラが追い付かない事態が懸念される。ちなみに新たな指針では、普通充電器についても「今後は10kWの導入を含め、総出力を増強する必要」が打ち出されている。つまるところ、日本でも今後は充電器の高出力化が既定路線として示されたわけだ。

新たな指針を先取りしたMITUS、2025年にEV環境が大きく変化

MITUSのFirst Modelスペックを改めて眺めると、新たな指針を事細かに先取りしていることがわかる。2025年春の時点でベストな選択であり、将来的なバージョンアップも考慮されている。

画像: 「MITUS」シリーズはカジュアルな統一デザインテーマが用いられる。スマートなデザインが充電ステーションのイメージを変える。

「MITUS」シリーズはカジュアルな統一デザインテーマが用いられる。スマートなデザインが充電ステーションのイメージを変える。

MITUSシリーズの第一弾は急速充電器だったが、新電元では今後普通充電器や非接触充電器のラインナップを予定しており、シリーズを通じてブランドイメージを損なわないデザイン整合性も採用するとのこと。新たに国が打ち出した指針とともに、MITUSシリーズが日本の充電ライフを大きく変えるかもしれない。

This article is a sponsored article by
''.