ジャパンモビリティショーのプレスデー初日は、自動車メーカーのプレスカンファレンスが続きました。その中からドイツ2社の会見の様子をお伝えします。<タイトル写真は今回アジアプレミアされた「BMWヴィジョン・ノイエ・クラッセ」とオリバー・ツイプセ会長(中央)、デザイン責任者のエイドリアン・ファン・ホーイドンク氏(右)、BMWジャパンの長谷川正敏社長(左)写真:BMW>

メルセデス・ベンツは「コンセプトEQG」と「AMG C63 S Eパフォーマンス」を発表

プレスデーの初日、トヨタに次ぐ2つ目の記者会見となったメルセデス・ベンツのブースでは、上野金太郎メルセデス・ベンツ日本代表取締役社長が登壇し、「電動化」、「サスティナビリティ」、「デジタル化」という3つの分野で進化を続ける同社の取り組みに触れつつ、2024年に本国で発売予定のGクラスのEVである「コンセプトEQG」と、電動化した「AMG C63 S Eパフォーマンス」の2モデルを日本初公開しました。

電動化においては、現在日本で小型のEQAからフルサイズのEQS SUVまで7車種のEVを販売していますが、2023年の日本でのEVの販売台数は昨年の2,000台の2倍以上となる見込みで、2024年には独自に急速充電器ネットワークの整備にも着手する予定です。

画像: メルセデスは2039年に新車バリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現する目標を掲げる。

メルセデスは2039年に新車バリューチェーン全体でカーボンニュートラルを実現する目標を掲げる。

ジャパンプレミアの1台目の「コンセプトEQG」は、2021年のIAAミュンヘンで発表されていますが、今回のモデルは量産間近に迫った最新のコンセプトモデルです。ラグジュアリーオフローダーとして日本でも不動の人気を誇るGクラスのデザインDNAを踏襲しつつ、フロントエンドのブラックパネルやホワイトLED、ツートンのボディカラーなどでEVとしての個性を主張。4つのモーターはホイールに近接して搭載され各輪独立したトルク制御を行い、ラダーフレームに組み込んだバッテリーによる低重心と相まって、「最高のオフロード性能を発揮することを確認している」と登壇したGクラスのプロダクト担当責任者のトニー・メンテル氏は自信を見せました。いわゆる「タンクターン」が可能なのもEV四駆ならではです。

画像: コンセプトEQGの4つのモーターはホイール内ではなくボディフレームの外側に位置する。

コンセプトEQGの4つのモーターはホイール内ではなくボディフレームの外側に位置する。

もう1台の日本初お披露目の「C63 S Eパフォーマンス」は、フロントに2Lターボエンジンを搭載し、リヤには6.1kWhのリチウムイオンバッテリーと150kWのモーターを搭載する4輪駆動車で、システムの最大出力は500kW(680ps)、最大トルクは1020Nm、0→100km/hの加速3.4秒という従来のV8エンジンを搭載したC63を大きく上回るパフォーマンスを発揮します。 F1のテクノロジーを採用した電動ターボチャージャーは最大15万rpmでこの性能を可能にしています。13kmのEV走行ができるこのプラグインハイブリッド車の価格は、1660万円からと発表されました。

メルセデス・ベンツは、ジャパンモビリティーショー一般公開中は、六本木の「Mercedes me Tokyo」との東京ビッグサイトの会場間で、EQS SUV や Vクラスによる無料のシャトルサービスも実施しています。

画像: ジャパンプレミアの2モデルと上野金太郎メルセデス・ベンツ日本社長。

ジャパンプレミアの2モデルと上野金太郎メルセデス・ベンツ日本社長。

デジタルコミュニケーションが普及する中で、自動車メーカーは自国外のモーターショーへの出展を控えるケースが目立ち、先月のIAAモビリティミュンヘンでも、ドイツメーカーと中国メーカーが中心の展示となりました。

今回のJMSもそれにもれず、海外勢の出展はメルセデス・ベンツ、BMWのドイツ勢と中国のBYDのみですが、4年ぶりの東京でのモーターショーということでもあり、アジアを中心に海外メディアの姿も結構みられ、思ったよりもプレスデーも賑わっている印象です。日本の自動車メーカーからも多くのコンセプトカーや多様なモビリティの提案がされており、一般公開にも多くの来場者が訪れてほしいと思います。(了)

●著者プロフィール
丸田 靖生(まるた やすお)1960年山口県生まれ。京都大学卒業後、東洋工業(現マツダ)入社。海外広報課、北米マツダ(デトロイト事務所)駐在をへて、1996年に日本ゼネラルモーターズに転じ、サターンやオペルの広報・マーケティングに携わる。2004年から2021年まで、フォルクスワーゲングループジャパン、アウディジャパンの広報責任者を歴任。現在、広報・コミュニケーションコンサルタントとして活動中。著書に「広報の極意−混迷の時代にこそ広報が活躍できる」(2022年 ヴイツーソリューション)がある。

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