「IAAモビリティ 2023」は、2021年にフランクフルトから開催地を移した際に、メッセ会場に加えて、ミュンヘン市の旧市街(アルトシュタット)のパブリックスペースを展示場に当てたことがユニークでした。ひたすら広大な首都ベルリンや、旧市街が第二次世界大戦の空爆でほぼ失われたフランクフルトに比べ、ミュンヘンには古い教会やバイエルン皇帝時代の壮麗な宮殿が今も残っています。古都の建造物の合間に設けられた展示空間を、そぞろ歩きしながらクルマを眺められる体験は、ミュンヘン市民にとってもとても好ましいもののようです。

ポストモーターショーのひとつの理想形と言える

今日は、ほんの駆け足での見学でしたが、平日の昼間にもかかわらず、老若男女を問わず大勢の人が楽しそうにクルマをチェックしていました。屋外展示場のリスクは天候ですが、今週は最高気温が25度を超えるほどで、日差しの下では上着を脱いでも汗ばむほどです。

画像: ルードヴィヒ通りのすぐ脇に設けられた周辺の展示メーカーの市場受付ブース。明日の枠も予約できるよ、と親切な若いスタッフが応対してくれた。

ルードヴィヒ通りのすぐ脇に設けられた周辺の展示メーカーの市場受付ブース。明日の枠も予約できるよ、と親切な若いスタッフが応対してくれた。

まだ体験していませんが、それぞれのメーカーのブースのすぐ脇に試乗受付カウンターがあり、気軽に乗れるようですし、eバイクやeスクーターの展示や試乗もできます。子供向けのファミリー・トレイルという体験プログラムもあり、市民がモビリティの多様性を体験し、未来を感じることができる総合的なショーに産・官・民(地域)が一体になって作り上げていると感じます。

国際モーターショーの時代が終わった今、各国の事情に即した新しいモビリティショーのあり方が示されているといえるでしょう。(了)

●著者プロフィール
丸田 靖生(まるた やすお)1960年山口県生まれ。京都大学卒業後、東洋工業(現マツダ)入社。海外広報課、北米マツダ(デトロイト事務所)駐在をへて、1996年に日本ゼネラルモーターズに転じ、サターンやオペルの広報・マーケティングに携わる。2004年から2021年まで、フォルクスワーゲングループジャパン、アウディジャパンの広報責任者を歴任。現在、広報・コミュニケーションコンサルタントとして活動中。著書に「広報の極意−混迷の時代にこそ広報が活躍できる」(2022年 ヴイツーソリューション)がある。

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