コロナが明けて最初の夏休み。久々の長距離ドライブに疲労困憊、どこまでも続く高速道路の渋滞にうんざりした方も多いだろう。そんな時に思うのが「クルマが全部やってくれればいいのに……」、つまり自動運転だ。果たして、クルマの自動化はどこまで進んでいるのだろうか。その現状を解説する。(タイトル写真は自動運転車のイメージ)

レベル4で新しいライフスタイルが実現

対して、いまもっとも注目されているのが「レベル4」。日本でも2023年4月1日の道交法改正によってレベル4の公道走行が解禁となったばかり。シャトルバスや物流・集配業務など運行ルートが限定されている乗り物でその導入に弾みが付いている。

すでに世界中でさまざまなタイプのレベル4対応車が開発され、実際に運行している(実証実験も含む)。北米や中国が先行する「ロボタクシー」もこのレベル4に該当する自動運転車両である。

画像: トヨタが開発中の「e-Palette」はレベル4に相当するシャトルバス。

トヨタが開発中の「e-Palette」はレベル4に相当するシャトルバス。

また、とくに日本ではバスなどの公共交通機関の減便や路線廃止が懸念されているが、レベル4の解禁以降、シャトルバスがその役割に代わるとして各地で実証実験が始まっている。

そして自動運転の最終段階がレベル5。走行ルートが限定されないまったく新しい移動手段=乗り物の誕生だ。運転はシステムが行うので、アクセルやブレーキ、ハンドルはなくなり、いわゆるクルマとはまったく異なるデザインの乗り物が誕生する可能性が高い。

画像: 北米ではレベル4相当の無人タクシー「ロボタクシー」が運行エリアを拡大しつつある(写真はGM傘下のクルーズが運行するロボタクシー)。

北米ではレベル4相当の無人タクシー「ロボタクシー」が運行エリアを拡大しつつある(写真はGM傘下のクルーズが運行するロボタクシー)。

しかし、その実現までには高精度3D地図の自動生成など技術的課題はもちろん、社会的にも解決しなければならない問題を多々抱えている。大手自動車メーカーとスタートアップが入り乱れて、その実現に向けて取り組んでいるが、まだ時間がかかりそうだ。

運転支援技術の進化とともに、ドライバーの負担は大幅に軽減され、交通事故発生件数やそれによる死傷者数の減少に大きな効果をあげている。

さらに本格的な自動化(レベル4)の普及は、渋滞の緩和や今後さらに増加が見込まれる宅配業務の効率化、また公共交通機関の減少による高齢者の移動手段など、さまざまな期待が寄せられている。

最終的にレベル5対応の乗り物がいつごろ登場するのかは予想できないが、レベル4が普及する過程で我々のライフスタイルが大きく変わることは間違いない。

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