EV専用プラットフォーム初採用の量産プロトも公開
そしてIAA2023のBMWにはもうひとつトピックがある。2025年末から生産が始まる次世代EVの量産プロトタイプの公開だ。次世代型EV専用アーキテクチャー「Neue Klasse(ノイエクラッセ:新たなクラス)」を初採用するセダンとSUVの2台を同時に出展するという。
セダンに関しては、2023年1月に開催された「CES2023」に出品されたコンセプトカー「i Vision DEE」でデザインコンセプト明らかにされており、今回出品される市販プロトとのあいだに「大きな違いはない」とのことだ。
3シリーズ相当のボディサイズなので、生産終了した“i3”のネーミングを継承する可能性も指摘されている。SUVに関して詳細は不明ながら、セダンと同一サイズのホイールベースを採用する可能性が高い。
ガソリン車のプラットフォームを使いまわすのではなくEVに特化した設計であり、高性能バッテリー(第6世代と呼ばれる円筒形リチウムイオンバッテリー)と高性能モーターを効率的に配置した専用EVアーキテクチャーになる。
そこに車載OSやソフトウエア、アプリケーションを搭載して新たなユーザーエクスペリエンスやユーザーインターフェースを実現する。その関連技術の一例として、CES2023では「複合現実スライダー(Mixed reality slider)」と呼ばれるヘッドアップディスプレイ技術を公開していた。
この新型EVセダン、そしてSUVは、2025年後半から生産開始。ハンガリーの新工場を皮切りに、ドイツ、中国へと拡大し、2027年にはメキシコでも生産が開始される。また、2027年時点で上記2モデルに加え、「ノイエクラッセ」を採用する新型EVは6モデルに拡大する計画だ。今後のBMWの電動化計画で極めて重要な役割を担っていることが伺われる。
いよいよ本気の勝負に出るBMW、今回のIAAモビリティショーで、その手の内が明らかになるだろう。