北米のEV充電規格統一に向けて新たな動きが始まっている。フォード、GM、リビアンに続き、スウェーデンのボルボもテスラのネットワーク参加を表明した。従来規格のCCS1や日本発祥のCHAdeMO(チャデモ)はいったいどうなるのか。
日本メーカーに与える影響は大きい
一方、NACS規格はテスラの充電器であるスーパーチャージャー専用なので利用できるのは基本的にテスラオーナーに限られている。ちなみに欧州の規格はCCS2(通称Combo2)、中国はGB/Tで、日本はCHAdeMOだ。そんな状況下、フォード、GM、リビアンはユーザーの利便性はもちろん開発効率の改善に向けて、北米でもっとも普及しているテスラスーパーチャージャーNACSに規格を統一することを決断したのである。
そこで予想されるのが、今後の北米市場ではCCS1規格やCHAdeMO規格の急速充電機の新規増設はなく、むしろ既存施設がテスラスーパーチャージャーNACSに置き換えられていく可能性が極めて高いということだ。
今回のボルボの決断は、こうした事情を考慮して下されたことは間違いない。2030年までに完全な電気自動車メーカーになることを目標としている同社にとって、当然の選択と言えるだろう。他の欧州車メーカーもこれに追従し、また日本メーカーも対応せざるを得なくなるかも知れない。
つまり、3つの充電規格が乱立していた北米市場は、今後テスラのスーパーチャージャーNACS一択に絞り込まれることが想定される。果たして、日本のCHAdeMOはどうなるのだろうか。EVオーナーならずとも今後の動向には大いに注視しておきたい。