「LBX」は普通に小さなレクサス
レクサスLBXは、全長×全幅×全高=4190×1825×1560mmで、ヤリスクロスと同様にトヨタの「GA-B」プラットフォームをベースに開発されています。ボディの強化やサスペンションの軽量化を施していますが、パワートレインは1.5Lガソリンエンジン+モーターのお馴染みのフルハイブリッドです。システムの最大出力と最大トルクは100kW(136ps)と185Nmと強化されており、0→100km/hの加速は9.2秒とこのクラスとしては俊足と言える性能です。プラグインハイブリッドやEVのバリエーションについては言及されておらず、導入予定はないと考えて良いでしょう。
エクステリアは、スピンドルグリルの上部の切れ込みを省略した「ユニファイド」グリルを採用し、新型プリウスと同様に左右のヘッドライトをシームレスに繋ぐ処理など、新世代のデザインを感じさせます。ボディサイドの造形は中央を絞り込み、Cピラー下部でボリュームを出しながら下降するルーフラインとともに凝縮感を生み出しています。
デザインコンセプトは「プレミアムカジュアル」ですが、インテリアは、レクサスの上位モデルの「ラグジュアリー」の文法をトリクルダウンした印象で、メーター類はステアリングの後ろに、センターディスプレイはダッシュボードの高さより下に来る伝統的なレイアウトです。シートは、タンの本革やスウェードを使うなど、従来の高級車の価値観に沿ったもので、リサイクル素材の使用などの記述はプレスリリースにもありません。
売りの一つは「bespoke build」で、色や内装の組み合わせを計算上は33万通りから選べるようですが、こうした注文生産を上質なスモールカーを選ぶユーザーがどの程度求めているのか、マーケティング担当者に聞いてみたいところです。LBXとは、“Lexus Breakthrough Crossover”の略だそうですが、今回のデザインやパワートレインから見る限り、“ブレークスルー(Breakthrough)”というには物足りない気がします。