オールニューのGLCとCクラスは2026年登場
2026年は、中・大型車向けプラットフォームであるMB.EAを採用する新型GLCやCクラスがEVとICEで登場し、メルセデス・ベンツにとって飛躍の年となります。x EV比率も2024年の18%から30%以上に上昇すると予想しています。
さらに2030年前後には、出資する米国の電池スタートアップ企業ファクトリアル(Factorial)が開発する(LFP電池の約3倍にあたる)450W/kWhのエネルギー密度を持つ全個体電池や、傘下の英国企業ヤーサ(YASA)の省スペース・省重量&大トルクの軸流モーター(Axial Flux Motor)を採用し、新世代のAMG EVなどを登場させる計画です。
2020年代終わりにフルモデルチェンジするSクラスにもICEを残すことが今回発表され、2030年以降もEVとICEの二刀流で行くことが明らかになりました。今後、EV専用の「EQ」というシリーズ名は廃止するほか(「EQテクノロジー」という用法は残る)、デザインはEVとICEの差別化をなくし、メルセデス・ベンツの「伝統とステータス」を感じさせるフロントマスクになるとのことです。
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EQSの卵形デザインは不評だった。今後EVとICEのデザインは統合され、ステータスを強調するものとなる。
中国では高級車No.1の堅持に自信
2024年の中国市場における販売台数は−7%の68万台ですが、北京汽車との合弁会社BBAC(Beijing Benz Automotive Co. Ltd.)のROS(売上高利益率)は15%と依然高い数値を維持しています。車両価格が150万元(3000万円)以上のセグメントでは、マイバッハやAMGの存在により5割以上のシェアがあり、今後もそのポジションの維持に意欲を見せました。
投資家デーの前夜に行われた「AMG、マイバッハ、Gクラス」に関するプレゼン資料によると、AMGとGクラスはいずれも過去10年間に年率11%を超える成長を見せ、世界販売台数はAMGが15万台に迫り、Gクラスは21万台に達しています。マイバッハも21万台と10年で倍増しており、これらのモデルが中国の富裕層にも浸透しています。
結果として、メルセデス・ベンツの世界平均販売価格は7万1000ユーロ(1136万円)と5万ユーロ強のBMWなど競合プレミアムブランドを大きく引き離しています。
オラ・ケレニウスCEOは、中国を「母国から離れた母国(Home away from Home)」と呼び、欧州とともに世界販売台数の3分の1を占める同国で、ロングホイールベース(LWB)車の現地生産などローカリゼーションを進め(GLEのLWBを加え7車種に)、中国の顧客に向けた開発を強化すると力を込めました。