2025年1月28日、日本経済新聞が「ホンダ、北米で低価格EV ガソリン車並みの3万ドル以下」と題した記事を配信した。記事を要約すれば、2026年に北米で価格をガソリン車と同等の3万ドル(約470万円)以下に抑えた新型EVを発売し、その生産はバッテリーも含め一貫して北米で行われる、とある。米国政府の政策に頼らずに、EVの普及を加速させる狙いだという。(タイトル画像はイメージ:Honda 0 Tech Meeting 2024で公開されたゼロシリーズのプロトタイプ)

3万ドルを切るゼロシリーズの第3弾はHR-V(日本名:ZR-V)サイズか

このアンダー3万ドルEVが、すでに2026年の市場投入を予告されている「ゼロシリーズ第3弾:エントリーSUV」を指していることは間違いない。このエントリーSUVには、先だって発売される「ゼロSUV(2026年前半発売予定)」、「ゼロ サルーン(同年後半発売予定)」と同じく、次世代E&Eアーキテクチャーおよび車載OSの「ASIMO OS」が搭載されることは発表されている。しかし、価格レンジをはじめ車両アウトラインは、現在のところ一切公表されていない。

画像: 左下にある2026年に投入予定の「エントリーSUV」が今回報道されている低価格EVを指すのは明らかだ。

左下にある2026年に投入予定の「エントリーSUV」が今回報道されている低価格EVを指すのは明らかだ。

北米ホンダのラインナップでエントリークラスといえば「HR-V(日本名:ZR-V)」が相当し、現地価格は2万5400ドル(約390万円)から3万1000ドル(約479万円)。搭載エンジンは2L直4DOHCのみで、ハイブリッド車はラインナップされていない。

もうひとクラス上には「CR-V」が位置しており、こちらは1.5直4ターボ車と2Lハイブリッド車のラインナップ。前者は3万100ドル(約470万円)から3万5000ドル(約543万円)、後者は3万7650ドル(約587万円)から4万1100ドル(約637万円)。報道されたゼロシリーズの第3弾は、この両車のほぼ中間的な価格帯を狙うと見られ、車体サイズはほぼHR-Vと同等になると予想される。

画像: 写真上は北米ホンダのラインナップでエントリークラスに位置する「HR-V(日本名:ZR-V)」。ゼロ第3弾は上級クラスにあたる「CR-V」との中間の価格帯を狙うのか。

写真上は北米ホンダのラインナップでエントリークラスに位置する「HR-V(日本名:ZR-V)」。ゼロ第3弾は上級クラスにあたる「CR-V」との中間の価格帯を狙うのか。

割高と言われる続けるEVだが、実はガソリン車の価格は(中国市場を除き)世界中で高騰を続けている。強まる排出ガス規制、安全運転支援システムなど電子制御の多用によるECUの増加など、今後も価格を押し下げる要因は見当たらず、この傾向は続くだろう。

一方でリチウムイオンバッテリーの価格は下落が続いており、EVとガソリン車の価格差が日増しに縮小している。ある調査会社のレポートによれば、2021年時点の北米市場におけるEVとガソリン車の平均的な価格差は50%近くもあったが、2023年には15%まで縮小している。ガソリン車が高くなり、EVが安くなっている。近い将来、EVとガソリン車の価格が逆転すると予測する識者もいるくらいなのだ。

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