2025年1月28日、日本経済新聞が「ホンダ、北米で低価格EV ガソリン車並みの3万ドル以下」と題した記事を配信した。記事を要約すれば、2026年に北米で価格をガソリン車と同等の3万ドル(約470万円)以下に抑えた新型EVを発売し、その生産はバッテリーも含め一貫して北米で行われる、とある。米国政府の政策に頼らずに、EVの普及を加速させる狙いだという。(タイトル画像はイメージ:Honda 0 Tech Meeting 2024で公開されたゼロシリーズのプロトタイプ)

北米市場はリーズナブルな価格帯のEVの激戦区に

北米では「3万5000ドル(約540万円)」前後が自家用乗用車の最量販価格帯であると言われている。ふだんは通勤や買い物に、休日はちょっと遠出するような日本でいうファミリーカー的な使われ方ならば3万5000ドルくらいのクルマがちょうどいい、というのが一般的な認識だという。日本の一般家庭の肌感覚ではずいぶん高いと感じるかもしれないが、インフレが止まない米国では3万5000ドルがひとつの目安であるのは間違いないようだ。

画像: 北米で販売されているホンダ CR-V、そのハイブリッドモデルは3万4650ドル〜に設定されており、まさしく「標準的なファミリーカー」といえそうだ。

北米で販売されているホンダ CR-V、そのハイブリッドモデルは3万4650ドル〜に設定されており、まさしく「標準的なファミリーカー」といえそうだ。

このような背景を考えると、「3万ドル以下」というプライスのインパクトは相当なものであるはず。現状、北米で3万ドルを切って販売されているEVは、日産 リーフ(2万8140ドル:約436万円)くらいだ。2024年度中には、シボレー ボルトが復活して北米市場に投入される予定だが、こちらも3万ドルを切って発売される公算は大。

リーフも2026年には新型の販売も開始されるはずなので、ホンダ ゼロの第3弾、シボレー ボルト、日産 リーフが三つ巴の戦いを繰り広げることになる。もちろん地元のフォードをはじめ、ヒョンデ/キア、フォルクスワーゲンなどもこの戦いに絡んでくることは想像に難くない。新大統領の誕生で諸々のEV促進策が撤廃される可能性が高く、EVの将来は明るくないと言われる北米市場だが、安価なEVが続々と登場することで再び活性化に向かう可能性は高いだろう。

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