3万ドルを切るゼロシリーズの第3弾はHR-V(日本名:ZR-V)サイズか
このアンダー3万ドルEVが、すでに2026年の市場投入を予告されている「ゼロシリーズ第3弾:エントリーSUV」を指していることは間違いない。このエントリーSUVには、先だって発売される「ゼロSUV(2026年前半発売予定)」、「ゼロ サルーン(同年後半発売予定)」と同じく、次世代E&Eアーキテクチャーおよび車載OSの「ASIMO OS」が搭載されることは発表されている。しかし、価格レンジをはじめ車両アウトラインは、現在のところ一切公表されていない。
北米ホンダのラインナップでエントリークラスといえば「HR-V(日本名:ZR-V)」が相当し、現地価格は2万5400ドル(約390万円)から3万1000ドル(約479万円)。搭載エンジンは2L直4DOHCのみで、ハイブリッド車はラインナップされていない。
もうひとクラス上には「CR-V」が位置しており、こちらは1.5直4ターボ車と2Lハイブリッド車のラインナップ。前者は3万100ドル(約470万円)から3万5000ドル(約543万円)、後者は3万7650ドル(約587万円)から4万1100ドル(約637万円)。報道されたゼロシリーズの第3弾は、この両車のほぼ中間的な価格帯を狙うと見られ、車体サイズはほぼHR-Vと同等になると予想される。
割高と言われる続けるEVだが、実はガソリン車の価格は(中国市場を除き)世界中で高騰を続けている。強まる排出ガス規制、安全運転支援システムなど電子制御の多用によるECUの増加など、今後も価格を押し下げる要因は見当たらず、この傾向は続くだろう。
一方でリチウムイオンバッテリーの価格は下落が続いており、EVとガソリン車の価格差が日増しに縮小している。ある調査会社のレポートによれば、2021年時点の北米市場におけるEVとガソリン車の平均的な価格差は50%近くもあったが、2023年には15%まで縮小している。ガソリン車が高くなり、EVが安くなっている。近い将来、EVとガソリン車の価格が逆転すると予測する識者もいるくらいなのだ。