総勢100近いブランドが会場内にひしめいた北京モーターショーですが、未だ販売店網が十分でない新興メーカーの多くは、市内の大型ショッピングモールにショールームを設けています。北京市の北東、広大な朝陽公園内にあるSOLANAモールには、まだ歴史の浅い新エネルギー車(NEV)メーカーが展示スペースを持ち、若者や家族連れが気軽にクルマを見て回っていました。(タイトル写真はスマホとAITO M7が一緒に展示されるファーウェイのショールーム)

中国メーカー車の方がコスパが良い

前出のHさんによると、中国の消費者には「コスパは中国メーカー車の方が良い」という認識があり、輸入車を買うのはクルマをよく知らない人という印象すらあるとのことです。Hさん自身は、2年前に買ったテスラモデルYを所有していますが、音声認識などがスマホの方が優れているので、正確なナビゲーションを求めるときはテスラの車載ナビではなくスマホのナビを使うとのこと。大きなセンターディスプレイはタッチして操作するのではなく、ほとんどの場合音声で入力、コマンドしていました。

画像: ショッピングモールの地下駐車場にずらりと並ぶテスラのスーパーチャージャ−。この反対側(写真の左)にも同数が並ぶ。中国市場では、既にテスラすら埋没してしまっている印象だ。

ショッピングモールの地下駐車場にずらりと並ぶテスラのスーパーチャージャ−。この反対側(写真の左)にも同数が並ぶ。中国市場では、既にテスラすら埋没してしまっている印象だ。

また、モーターショーのBYDブースで、本社広報ディレクターの黄さんに対して、「これまで中国の消費者は長いことビュイック(GM)やVWなどのブランド車に親しんできたはずだが、それらのブランドに対する愛着はないのでしょうか」と質問をぶつけてみた所、「GMはEVのイメージがなく、VWは(ソフトウェアの)アップデートのスピードが遅い」という印象だそうです。中国の消費者は、ネット上に溢れる車情報をしっかりと検討して、スペックや評判を比較し、最も良いと思う車種を購入するとのこと。筍のように林立するNEVメーカーも、「血の出るような(bleeding)マーケットだとわかっているが、それでも各社は自分たちが最高の製品を出せると考えて挑んでいる」という話でした。14億の人口を抱える中国では、そのような過酷な競争は珍しくないのかもしれません。

仰望のディーラーを訪問

さて、ショッピングモールの車を見て回った後は、Hさんも行ってみたかったという北京市内にまだ2店舗しかない仰望ブランドのショールームを訪れました。出来てまだ半年ほどの高級ショールームで、店内では翌日モーターショーで発表予定のU8オフロード仕様が展示され、同じくワールドプレミアされるスポーツセダン「U7」と、受注が開始されたスーパースポーツカー「U9」のボディ(カーボンモノコック)の展示も準備中でした。外では特別な来客の試乗のために、オフロード性能を試す鋼鉄の櫓コースがセットされており、同乗して登・降坂能力を確認したのは、どうやらドイツのプレミアムメーカーのエンジニアだったようです。

私たちもノーマルのU8に一般道で同乗試乗し、3.4トンの巨体を0→100km/hわずか3.6秒という強烈な加速も体験させてもらいました。ポルシェカイエンやレンジローバーからの乗り換えが多いとの話でしたが、全国で月間1000台以上、BMW X5よりも売れていると若いセールス担当者は自信に溢れた笑顔で語りました。

画像: 北京に2カ所しかない仰望のショールームと特別試乗されていたU8オフロード仕様車。

北京に2カ所しかない仰望のショールームと特別試乗されていたU8オフロード仕様車。

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