総勢100近いブランドが会場内にひしめいた北京モーターショーですが、未だ販売店網が十分でない新興メーカーの多くは、市内の大型ショッピングモールにショールームを設けています。北京市の北東、広大な朝陽公園内にあるSOLANAモールには、まだ歴史の浅い新エネルギー車(NEV)メーカーが展示スペースを持ち、若者や家族連れが気軽にクルマを見て回っていました。(タイトル写真はスマホとAITO M7が一緒に展示されるファーウェイのショールーム)

中国ブランドとの競争に晒されて欧米メーカーは苦戦

上述の2社に比べると、VWが資本出資した小鵬はやや苦戦しているようです。モール内の展示場も狭いスペースに何台も詰め込んだ印象で、中型セダンの「P7」は、36ヶ月ローン「ゼロ金利」を展開しており、熾烈な競争が続く20万元台のEVセダン市場で苦戦しているのでしょう。一方、最新のミニバン「X9」は、今年1〜3月の販売台数で理想の「MEGA」や第一汽車の「奔騰NAT」を倍近く上回りセグメント首位と好調のようです。

画像: 小鵬のショールーム内のP7セダン。NVIDIAのチップを採用、ミリ波レーダー5個、カメラ14個を搭載して2019年の発売時はテスラモデル3の対抗馬と目された。昨年から欧州でも販売しているが中国では既に陳腐化しつつある?

小鵬のショールーム内のP7セダン。NVIDIAのチップを採用、ミリ波レーダー5個、カメラ14個を搭載して2019年の発売時はテスラモデル3の対抗馬と目された。昨年から欧州でも販売しているが中国では既に陳腐化しつつある?

こうした新興EVメーカーを追いかけるのが、国(省)有の自動車メーカーで、欧米や日本の自動車メーカーとの合弁事業に加えて、NEV専売の別ブランドを次々に立ち上げています。例えばボルボの親会社である吉利汽車は、Polestar、Zeekr、Lotus、Lyco &Co.などのブランドを多数展開しています。また、長安汽車、東風汽車、広州汽車などもAVATR(阿維塔)、Voyah(嵐図)、AION(埃安)といった新ブランドを続々と立ち上げて、上級NEV市場に打って出ています。

こうした中国ブランドとの競争に晒されて、欧米のメーカーは苦戦しています。例えばVW ID.3はドイツでは39,995ユーロ(680万円)からですが、このモールで展示されていたモデルはわずか12万5000元(275万円)だと店員から聞いたときは一瞬耳を疑いました(中国のホームページでは16万3888元〜とあるので値引き後の価格でしょう)。また、新型のNIO ET7(100kWh電池仕様)は48万6000元と発表されましたが、これはメルセデス・ベンツEQE(96kWh電池)の47万8000元と同等です。ET7の方がサイズ(5.1m)も大きく、航続距離(1050km)などの性能も上回っているので、メルセデスが苦戦を強いられるのも無理はありません(EQSは88万元もします)。

画像: 中国ではゴルフサイズのハッチバックID.3のほかに、日本で販売されているID.4、その3列シート版のID.6、ミッドサイズセダンのID.7とEVが幅広く展開されている。

中国ではゴルフサイズのハッチバックID.3のほかに、日本で販売されているID.4、その3列シート版のID.6、ミッドサイズセダンのID.7とEVが幅広く展開されている。

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