音声対話で起動するChat GPTを採用
1月24日にフォルクスワーゲンから新型ゴルフが発表されました。新型といっても今回のモデルはゴルフ8.5ともいわれるフェイスリフト版で、2019年に本国で発売された(日本導入は2021年)8世代目ゴルフの改良モデルです。
大きな変更点は、Chat GPTと最新の音声アシスタントを組み込み、独立した大型センターディスプレイを採用したインフォテインメントや、ヘッドライトのデザイン変更によってさらに精悍になったフロントマスクなどです。
ゴルフは2021年まで欧州で15年間モデル別販売台数トップでしたが、最近はSUVブームに押されて同じVWモデルの中でもT-Rockの後塵を拝しています。昨年はテスラモデルY(254,822台※1)が販売首位となっており、ゴルフ(184,274台※1)は第7位でした。※1:Automotive News Europe資料による
ID.シリーズやゴルフなどへのChat GPTの搭載については今月初めのラスベガスのCESで発表され、スマートモビリティJPでも既報ですが、筆者も現地でプレスカンファレンスに出席しました。話者が「ハロー、アイダ(IDA)。バターチキンが食べたい」と語りかけると、聞き取った言葉がディスプレイ上に表示されますが、最初“But chicken”と表示された文字が瞬時に“Butter chicken”に修正されてLLM(大規模言語モデル)が働いていることがわかりました。
フロントデザインは、LEDヘッドライトがさらに薄型になり、オプションのマトリックスLEDのメインビームは500m先まで照射可能で、リヤライトのLEDも3D化されています。カメラで対向車を探知して照射域を調整するマトリックスLEDは、最初アウディR8やA8に採用されましたが、ゴルフにも最先端のライティング技術が搭載され、お家芸である「技術の民主化」がデジタル時代のスピード感で行われていることがわかります。
パワートレインの詳細は未発表ですが、48Vマイルドハイブリッド搭載のガソリンエンジン「eTSI」は1L直3エンジンが廃されて1.5L直4のみとなり、2Lディーゼルの最上級版の「GTD」は廃止となると独Auto Build誌は報じています。プラグインハイブリッドモデルはバッテリー容量が19.7kWhに増強され、電気だけで100km走行が可能となりました。ヴァリアント(ワゴン)とGTIも同時発表され、まもなく4輪駆動のゴルフRも正式お目見えするようです。