2024年1月9日(現地時間)、ヒョンデグループの空飛ぶクルマメーカー「Supernal」は、CES2024で電動垂直離着陸機(eVTOL)のコンセプトモデル「S-A2」を発表した。都市部の運行向けに設計されたパイロット+乗客4人乗りのエアモビリティで、2028年の市場投入を計画している。

きらりと光るデザインセンス

「S-A2」のデザインを担当するのはランボルギーニ・ムルシエラゴ、ガヤルド等のデザイナーを務めたことで有名なルク・ドンカーヴォルケ氏で、「S-A2はまさに『自動車と飛行機の融合』を表している」と語る。

Supernalのエンジニアチームはヒョンデグループの自動車デザイナーと協力して、航空事業者を魅了しAAM(空飛ぶクルマ)の乗客に好まれる体験を生み出すために、美しさと機能性を両立したデザインに仕上げたという。

画像: 色でパイロットセクションと乗客セクションが明確に区別されている。

色でパイロットセクションと乗客セクションが明確に区別されている。

様々なカラーパレットと素材で、パイロットセクションと乗客セクションが明確に区別され、航空グレードのエネルギー吸収コンポーネントがシートフレームに組み込まれることで、全体的にすっきりとしたミニマルなデザインを実現している。

また、飛行の各段階ごとに照明を切り替えることで機内が広く感じられるようになり、乗り降りの際の視覚的な目印になる機能も実装されている。

技術構成

「S-A2」は、高度1500フィート(約457m)を時速120マイル(約193km/h)で巡航するように設計されたV字尾翼(V-tail)機で、まずは25~40マイル(40~64km)を飛行するニーズに応えるとしている。

分散型電気推進アーキテクチャを採用し、推力偏向可能な8個のローターを搭載しているのが特徴的で、食器洗浄機と同レベルの騒音となる、離着陸時65dB、水平飛行(巡航)時45dBで運用される。(編集部注:食洗機の騒音レベルは40〜45dB程度、掃除機の騒音レベルが65〜70dB程度)

画像: ベル V-280と同様のチルトローターシステムを採用したV字尾翼のVTOL機というのが大きな特徴

ベル V-280と同様のチルトローターシステムを採用したV字尾翼のVTOL機というのが大きな特徴

また、車両は持続可能性と乗客の快適性を重視した上で、民間航空機の世界的な安全基準を達成するために設計され、パワートレイン、フライトコントロール、アビオニクスなどの重要なシステムに堅牢な機体構造を採用している。

さらに、チルトローター機構は、垂直上昇と水平巡航の両方の飛行段階において、独自の効率で機体を駆動するほか、優れた品質を維持しつつコスト効率を高めるため、車両はヒョンデの大量生産能力を活用して製造されるとのことだ。

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