まずは東京駅を中心としたエリアでの運行を開始
近年ドライバーが不足していると言われるタクシー業界において、乗車定員に対する乗車した人数・乗車率は低く、タクシーが持つ輸送能力を活かしきれていないという調査結果が出ている。特にこの状況はバスや鉄道など公共交通機関の運行が停止した夜間において、「タクシー難民」と呼ばれる帰宅できない人が行き場を失う状況に発展することもある。
そこでニアミーと日の丸交通は夜20時から翌朝の5時59分の運行時間に限ってシェア乗りサービス「ナイトシャトル」を東京を中心に展開、乗車希望日時の5分前まで事前予約を受け付ける。運行エリア(始点・終点)は東京駅を中心にした半径20km以内で、千代田区と中央区、江東区、新宿区、渋谷区、港区からの出発に限定し、神奈川県川崎市や東京都三鷹市、埼玉県川口市、千葉県船橋市など一部の隣接する地域までとしている。
ひとつの車両を複数組でシェアする「ライドプーリング」はタクシー難民を減らすのに有効な手段であると言われる上に、タクシー事業者にとって1回あたりの運行距離を伸ばせることで生産性向上にもつながる。事前予約制とすることで乗客を探す手間はなく、運行計画を立てやすくなるメリットもある。
今回の「ナイトシャトル」はユーザーにとって、通常のタクシー料金から最大50%の料金で移動できるため、費用負担軽減のメリットもある。
ニアミーと日の丸交通はそれぞれコメントを発表。
ニアミーの高原幸一郎 社長(高の字は、はしご高)はライドプーリング・シェア乗りの普及によって「利用者と事業者の需給バランスが整い、街全体の移動がなめらかになっていくことで、ユーザーの方々はもちろん、日の丸交通様をはじめとしたタクシー事業者様、そして地域全体にとってそれぞれメリットを感じることができる「三方良し」の世界を実現していきたいと考えています」とコメント。
日の丸交通の富田和孝 代表取締役は「シェア乗りサービスを通じ、お客様からの配車依頼により効率的に対応でき、お客様の満足度向上に貢献する取り組みをニアミー様と共に進めていきます。サービス開始時は時間とエリアが制限されていますが、将来的には時間やエリアに制約のないサービスに進化させることを期待しています」としている。
忘年会、新年会のシーズンに始まった「ナイトシャトル」サービス、今後の発展が期待できそうだ。