去る2023年11月15日(現地時間)、ルノーは恒例の投資家向けイベント「ルノー・キャピタル・マーケット・デー」を開催。11月1日に設立を発表したばかりの新会社「アンペア(Ampere)」の事業戦略を明らかにした。2024年にはセニックと“5”(サンク)、2025年にSUVの“4”(キャトル)、2026年にはトゥインゴのEVをそれぞれ発売。さらに2027〜28年には、現在のガソリン車と変わらない価格の新型CセグメントEVを実現するという。(タイトル写真は「トゥインゴE-TECHエレクトリック」のプロトタイプを前にアンペアの事業戦略を語る同社のルカ・デメオCEO[ルノーCEOと兼任])。

ルノーSDV時代の幕開けを告げる、サンクE-TECHエレクトリック

今回の発表では、アンペアが手掛けた2台の市販車と今後3年間に発売予定の3台のプロトタイプも公開された。その概略を紹介しよう。

トゥインゴE-TECHエレクトリック(2026年発売)

画像: トゥインゴE-TECHエレクトリック(2026年発売)

トゥインゴ E-Techエレクトリックは、アーバンモビリティの課題に対するスマートなソリューションとして2026年の発売開始を予定。10kWh/100kmというクラス最高の効率を達成し、ライフサイクル全体で2023年に販売される平均的な欧州の内燃機関車よりもCO2排出量を75%削減、コンパクトなサイズによる原材料消費量の削減など、妥協のない目的に合ったシティコミューターだ。販売価格は補助金適用前で2万ユーロ(約330万円)以下が目標だ。初めての完全なSDVモデルとなる可能性が高い。

4(キャトル) E-TECHエレクトリック(2025年発売)

画像: 4(キャトル) E-TECHエレクトリック(2025年発売)

往年の名車がフル電動モデルになって2025年に復活する。5(サンク)E-TECHエレクトリックで初採用されるAmpR Smallアーキテクチャーを継承し、30分の充電で280kmの航続距離のリカバリーが可能。シンプルさ、敏捷性、堅牢性の象徴である先代モデルに敬意を表した新時代のフル電動SUVだ。

5(サンク) E-TECHエレクトリック(2024年発売)

画像: 5(サンク) E-TECHエレクトリック(2024年発売)

すでに各所でプロトタイプが公開されている新世代の5(サンク)は、2024年の第1四半期に発売開始。AmpR Smallアーキテクチャーを初採用し、電力網のニーズに応じてバッテリーの充電と放電を可能にするV2G(Vehicle-to-Grid)技術を搭載した最初のモデルとなる。さらに人工知能を採用したコ・パイロットシステム「Renoアバター」も装備され、日々の使用状況に応じて個々のユーザーニーズに応えるなどSDV時代の幕開けを告げるモデルでもある。目標価格は一般的なHEVに匹敵する2万5000ユーロ(約409万円)〜となる。

セニックE-TECHエレクトリック(2024年発売)

画像: セニックE-TECHエレクトリック(2024年発売)

2024年初頭の発売が予定されている新世代EVファミリーカー。最大24%のリサイクル素材を組み込んでおり、バッテリーを含めて95%リサイクル可能であると発表されている。航続距離は625km(WLTP)。価格は4000万ユーロ(約653万円)〜で、購入から維持費を含めた総保有コストは同クラスハイブリッドと同等であるとアピールされている。

メガーヌE-TECHエレクトリック(2022年発売開始)

画像: メガーヌE-TECHエレクトリック(2022年発売開始)

2022年半ばから3万8000ユーロ(約621万円)〜で販売が開始されたメガーヌ初のフル電動モデル。アーキテクチャーは日産アリアと同じCMF-EVで駆動方式はFWDのみで、初のOpenR Link搭載車でもある。航続距離はクラスをリードする451kmとのことだ。

他にもアルピーヌ向けに2車種の開発/生産を手掛けるほか、2027年〜2031年までにルノーブランドEVの第2世代車も追加して2031年には100万台のEV販売を見込んでいる。目下、欧州市場では安価な中国製EVに対する警戒感が強いが、アンペアは27年〜28年には主力車種の価格を内燃機関車と同等にすることで対抗していく。

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