NearMeとは
NearMeは、独自のAIを活用した配車マッチングサービスによるMaaSを展開している。オンラインで予約が入ると、ユーザー同士をマッチングしてタクシー配車までを行うサービスである。
中でも、空港とその周辺の都市部を結ぶ空港送迎型のエアポートシャトルは、2019年8月のサービス開始以降累計50万人以上が利用している大人気サービスで、 現在、全国15の空港(成田国際・中部国際(セントレア)・関西国際・大阪国際(伊丹)・羽田・新千歳・福岡・北九州・那覇・旭川・帯広・青森・仙台・南紀白浜・徳島)で展開されている。このサービスでは、対象エリアであれば自宅から空港、空港から最終目的地まで乗り換えなしで到着できる、ストレスフリーな移動体験が提供される。
そのほかにも、貸切送迎サービスや、東京都と千葉県全域のゴルフ場と東京都23区内を結ぶゴルフシャトルなど、シチュエーションに応じた様々な移動のニーズに対応するサービスもNearMeブランドで展開されている。
さらに、秋田県との共同実証実験では、地方の観光地のアクセス性向上による需要を促進している。また、ウエインズトヨタ神奈川との共同事業では、10月21日開催のバスケットボール試合観戦の配車サービスとしてサポートするなど、NearMeブランドとしてではないパートナーとしてのサポート事業でも、ジャンルを問わずさまざまな領域で貢献しているのだ。
これらサービスに共通して言えることは、タクシー事業者目線ではAIを活用した無駄のないマッチングと相乗りによる乗車率/配車率の向上がもたらされ、ユーザー目線では相乗りのおかげで安価にタクシー移動ができ、公共交通機関よりも便利なドアtoドアの移動を気軽に行えるようになるということである。
今後の展望
NearMeは、相乗りタクシー配車サービスとしての機能向上だけでなく、移動空間としての車両の開発にも取り組むと発表している。トヨタ紡績と共同で、乗り心地の良いシート、車両の位置情報やピックアップ場所・目的地をガイド表示するモニターの設置等のハードウェアに加え、香りや音楽など車内空間に安心感を与えるフィーリング要素も大切にした車両開発を行うそうだ。
需要と供給双方の効率を上げることで、誰も損をすることなく全員が満足できるサービスが展開でき、加えて地域経済の活性化にもつながる、まさに「三方よし」のビジネスモデルとして、NearMeが提唱する「シェア乗り構想」は、全国的に普及していくのではないだろうか。